26
「…ん…ふあ~ぁ…」
金属防具一式と柄が完成したので異国に居る用も無く…
いつもの公園に戻り、いつものベンチで寝て、昼前に目を覚ます。
あー、良く寝た…
多分10時間も寝てないと思うが、まあ明日も明後日もこれから好きなだけ寝れるし…
プルプルプル…プルプルプル…
首を傾け骨を鳴らして身体をほぐしてるとケータイの着信音が。
「もしもし?」
「あ、お兄ちゃん?今どこにいるの?」
…なんと電話の相手は愛梨。
わお、愛梨から電話なんて珍しいな…あ、そうか、いつもは大体家で会うから電話なんて必要なかったのか。
「なんかあったのか?」
「ううん、今日は家に帰って来てないみたいだから…何かあったのかなー?って」
俺の問いに愛梨は単なる疑問を聞いてくる。
…ええー、出かけるって昨日言ったじゃん…ソレで察してくれよ。
「ああ…自分探しの旅を再開しようと思ってな」
「…そうなの?じゃあお土産よろしくね!」
「オッケー」
適当な嘘で返したら普通に信じられ、引き止められる事もなくお土産を催促されたので…了承の返事を返して電話を切ってポケットにしまう。
…うーん…特に何かあるワケでも無いし…軽い運動したら二度寝でもしようかね…
「…あれ?もしかして程人君?」
今日の予定を大まかに立てて軽い運動をしようとしたら…
まさかのランニング中であろう格好のマキナに見つかるっていう謎展開。
…なんでコイツこんな所走ってんの?…まあいいや。
「…やっぱり!程人君だ!」
なんとなく人違いですよー、風を装ってその場から離れようとしたら回り込まれてバレてしまった。
とおまていとの『にげる』。
………しかし まわりこまれてしまった!
「おお、マキナか…偶然だな」
「そうだね…というかなんで逃げようとしたの?」
「なんとなく?」
バレてしまったら仕方ない…と、挨拶するもやっぱり逃げようとした理由を聞かれたので適当に答える。
「なんとなくって…それより今日帰って来たの?」
「深夜にな」
呆れつつも特に引っ張る事じゃなかったのか質問を変えて来たので普通に返す。
「やっぱり…昨日は居なかったもんね」
「昨日…?なに?お前、俺が行ってからずっとここらへん走ってんの?」
前まで走ってなかったくせに、俺が居なくなった途端に走り始めるって…
そんなに俺が邪魔だったの?
アイツが居ないからようやくランニングコースに出来るぜ…みたいな感じだった系?
「ううん、昨日からしか走ってないよ?一週間居るって聞いてたから、そろそろ帰って来そうだな…って」
「…待ち伏せかよ…」
どうやら俺の考えは被害妄想だったらしい…が、待ち伏せっぽい事をされていた方が普通に怖いと感じるのは俺だけ?
「ずっとココで待機してるワケじゃないから待ち伏せじゃないよ」
「…確かに、じゃあ待ち伏せっぽい事…だな」
…って、アレ?俺、一週間って明確な期限言ったっけ?
…でもマキナが聞いたって言ってんだから多分記憶に無いだけで言ってたんだろうな。
言ったか言ってないかすらも記憶に無いから、多分どうでも良い事だったんだろうよ。
「だから待ち伏せじゃないって…あ!」
「ん?」
マキナはため息を吐きながら否定すると急に声を上げたので後ろを見るも何もない。
「そういえばお土産、ありがとう」
「ああ、どういたしまして…っつっても金はお前らが出したんだけど」
「…と言うワケで、はいコレ」
どうやらただの思い出しで声を上げたらしくお礼を言われたので、適当に返すとマキナがポケットから何かを取り出して差し出した。
「…なんだこれ?」
「程人君へのプレゼント」
ラッピングされた薄くて四角い長方形の箱を見て聞くと、想定外の答えが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます