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「あとは魔力の残量と周りにバレないように気をつけろ…ってトコか、数百m程度の上空じゃ望遠鏡で見つかるし」


「その対策は大丈夫だ、デートやヤる場所は考える」



ソレに式神で周りを覆えば見つかる事はあっても見られる事はない…と、何故かソコだけはしっかり対策している。



「魔力の残量だけはマジで気をつけろよ、あといざという時のために式使のお姉さんには常に小型パラシュートを持たせとけ」



もし万が一式部が落下して死んだとしても式使のお姉さんだけは助からないとマズイので、とりあえず忠告した。



「…その手が…すまないな、何から何まで…」


「俺のせいで式使のお姉さんに被害が被るのは嫌なんでな、お前にソレを渡す以上対策は考えねぇと」



ただコレを渡したら後は全部お前の責任だから…なんて責任逃れはしたくない。



…まあ女の子が被害を受けなければ責任がどうだとか、っつーのは全く関係なくなるからどうでもいいんだが。



「…疑問なのだが、本当にコレを貰ってもいいのか?」



式部は遠慮とは違う…戦力増強や機密漏洩とかの心配する意図を込めた疑問を口にする。



「…俺ら調停の使者の目的はなんだ?」


「…世界を安定させる事だ」



俺の唐突な質問に不思議がりながらも目的を答えた。



「違う、世界を平和にする事だ…もっと言えば大切な者を守るためだろ?」


「…そう、だな…あくまで世界を安定させるのは手段に過ぎない」



世界を安定させるから平和になる…平和になるから大切な者を危険から遠ざけられる。



俺が否定してちゃんとした答えを問うと微妙に間違ってるような事を言われた。



…安定させるって手段なのか…?まあいいや。



「現状、人間側が不利な立場にある…だからお前にソレを渡す事によってほんの少しでも戦力を底上げしようってアレだ」



ただし、ソレを式使のお姉さんや式卜のお嬢さん以外に渡した場合…どうなるか分かってるよな?と、理由を話して脅す。



「大丈夫だ、コレは黒や紫以外には誰にも渡さない…黄にもだ」


「あ、藍架や愛梨には渡してもいいぜ?その場合は目の前に居とかないといけないが」



何故か式津の野郎だけハブられてしまっているけども、別に男はどうでもいいのでスルー。



一応万が一のために俺の姉妹にお願いされた時を想定しての対応の仕方を告げる。



…愛梨は危険な目に合わないように目を離すな、だからともかく藍架はねぇ…



アイツなら科学班に持って行きそうだから困ってしまう。



…そこは俺が居ない場合は式部経由の式使のお姉さんになんとかして貰うしかなくなるワケだけど。



流石の式部も強行策には出れないだろうし。



まあ例のごとくこのコピー品にもありとあらゆる対策を施してあるから心配は無いと思うけども…



マジでこの世の中はどこでどうなるか全く分からねぇからな。



徹底するに越した事はない。



「貸す事はほぼ無いと思うが…留意しておこう」



…留意て、普通に注意するとか気をつけるじゃダメなのか?



「おっと、そうそう…注意し忘れてたわ…空飛んでる最中に飛行機が来たら避けろよ?」



戦闘機でも、ヘリコプターでも…と、風の膜だか層では質量の大きい物体の物理アタックは避けられない…っつー事を補足した。



「いや、ソレは当たり前だと思うが…」


「銃弾や砲弾を逸らす事は出来てもソレ以上は無理だからな?」


「…銃弾や砲弾を逸らす事は出来るのか…ますます便利な機能だな」



ちょっと困惑したように返す式部に可能な例を挙げて念を押すように注意したら驚きながら呟く。



「…まあ主な説明や解説、注意点とかはそんなとこかね」


「…お、今から戻るのか?」



話す事は話し終えたのでそう締めたら式部のケータイが鳴り、取りながら聞いてくる。



「前半までは手伝ってやるよ」


「そうか、助かる…俺だ」



俺の返事を聞くと呟いて直ぐに電話に出た。


























































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