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「でも政府全取っ替えして国名が変わってから経済とか急成長してるみたいだよね」
「数兆もの資金をつぎ込んで改革した…って聞いたけど、国家予算とかを考えてもどこからその資金が出てきたのか不思議よね」
一介の村長程度が調達出来るレベルじゃないし…と、リザリーは顎に手を当てて考え込む。
「あの資金の出所ってテイトがあげた戦利品じゃないのか?」
「…え?…あー、そういえば要らん宝石を全部あげたな…」
「え、ソレってどれくらいあったの?」
「大体コレぐらい?」
ショコラの質問に俺は手で空中に50cmほどの円を描いて疑問形で答える。
「「そんなに!?」」
「俺も聞いた話でしかないんだが…どうやらその盗賊団は数年間大陸中を荒らし回っていたとか」
「ふーん…倒した記憶がないからその盗賊団ってただの雑魚だったんじゃね?」
マキナとショコラがハモって驚き、エルーが思い出すように説明するも俺は全く覚えてないので適当に返した。
「いや、マーラスの英雄でも手を出せなかったんだから雑魚ではないハズだが…」
「少しでも強かったら記憶の片隅には残るから雑魚だって」
「…その英雄が手を出せなかったっていうのは国外に居て管轄外だったからじゃないの?」
「だよね…じゃないとそんな雑魚さえ倒せなかった雑魚にていとの部隊が壊滅させられかけた、って事になるし」
なんかの連鎖的強さのランク格付け現象なのか俺の部下共が不当に貶められてる不思議。
雑魚に手を出せない雑魚に負けてる部下共って、完全に風評被害じゃねーか!
俺の部下共はそもそも魔王軍の中でも問題ありと見なされた奴らの集まりなんだから雑魚なワケねーし!
「…普通に戦ってれば俺の部下共が負けるワケ無いだろ、アレは不意を突かれたから負けたんだよ…多分」
一応言い訳のように部下共の雑魚疑惑を否定する。
「不意を突かれたぐらいであの程度の英雄に負けるなんて鍛え方が足りないんじゃないの?」
リザリーは英雄という言葉を(笑)が付きそうなほど馬鹿にした言い方で言う。
…それほどリザリー達とレベルが離れてるんだろうな…
「いやいや、不意を突かれたらお前らだって俺に負けんだろうが」
「それはあんただからよ」
「…つーか、攫われた事のある奴が言えるセリフかよ」
「そ、それは…!」
俺の反論に強気で返したリザリーに呆れたように言うと焦ったように言い淀む。
「…あ、あの時は敵が予想外の変身をしたから…」
「その不意を突かれたんだろ?」
「…不意を突かれたと言うか…」
「じゃあ普通に負けて攫われたのか?」
珍しくちゃんとした反論が出来ずに焦っているリザリーをからかうように俺は質問責めをした。
「勘違いしないでよね!あんな雑魚に負けるワケないでしょ!」
「やっぱり不意を突かれてんじゃん」
「…だ、だから不意を突かれたとか、そんなんじゃ…」
「…いい加減認めろよ、お前でさえそんなんだから俺の部下共だって不意を突かれてたらしょうがないだろ?」
頑なに認めようとしないリザリーに俺はため息を吐いて若干呆れながら疑問形で告げる。
「…認めるも何も、アレは…」
「…あー、はいはい…そうでしたね、あたしゃが間違ってましたごめんなさい」
「…だから…!」
なおも言い訳をしてくるリザリーに面倒臭くなった俺が謝るも、何故か食い下がってきた。
「…どうせ薬でも使われたんだろ?強力なやつとか」
「…!そう!そうなのよ!…分かってるなら別にここまで引っ張る事もないのに…!」
しょうがないので適当に会話を終わらせれそうなワードを使うと、ここぞと言わんばかりに乗ってくる。
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