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「ちょっ…!ショコラ、程人君が見てるから…!」


「えー?その方が興奮するでしょー?」



マキナが俺を見て多少抵抗するもショコラは止める気は無く、胸を揉んでた手を服の中に滑り込ませる。



…え、ええー…俺の語彙力じゃ『ええー』しか言えないけど、ええー…



この予想外で意外な状況の最中、『ええー』以外なんの言葉を使えばいい?



今の心境を表現するにはとりあえず万能な『ええー』を使う以外選択肢がないんだけど。



…つーかソレ以外に思いつかないわ。



…語彙力が無いってこういう予想外で想定外で意外過ぎる極稀な状況の時に困るぜ…



目の前で唐突に始まったショコラとマキナの百合百合プレイに困惑した結果…



俺は現実逃避で状況整理の意味も込めてそこいらに散らばってる金属防具一式を回収する事にした。



…いやー、女の子が着けた防具一式って卑猥な感じがするなー。



近くでアンアン喘ぎ、ついに服まで脱いで地面に敷き始めた二人をガン見しつつ金属防具一式を小箱に入れる。



「おいおい、下着姿になるのは良いが…服を敷くだけじゃ危ねぇだろ」



コレ使えよ、と小箱の中から大きめの布を取り出して渡す。



「良いの?ありがとー!」


「一応虫除けスプレーもかけとけ、周りの草は刈っとくから」



ブルーシートの布版を地面に敷き下着姿で寝っ転がったショコラに虫除けスプレーを投げて渡し無名を抜いた。



…なぜ俺が野外プレイに協力しないといけないのか…



勝手にヤってるのはあっちなのに!



まさかの虫除けスプレーをかけて直ぐにキスをして肌を重ね合わせた二人から視線を逸らし、周りの背の高い草を無名で斬っていく。



…おかしい、なぜこんな状況になったんだろう…?



ショコラが性的に興奮したのは俺のせいだとしても、マキナがあんな急に性的に興奮し出したのは何故だ?



…もしかして!



いや…だが…ソレは…でも…



可能性の一つとしては否定出来ない…かも。



…まさか俺がショコラの首を舐め出したあたりから見てた、ってのは…流石に…



…直勘で気づいた時にはまだ結構な距離が離れてたし、気配で気づいた時も肉眼で確認できるかどうか微妙な位置だったハズ。



残る可能性の一つとしては確認するために双眼鏡か小型の望遠鏡で見てた…ぐらいか。



あのショコラのエロい表情を見てたんなら俺らに近づく前に性的に興奮しててもおかしくないわけで。



いきなりショコラにディープなキスをした理由としても成り立つ。



…が、アイツならショコラと一緒に俺に襲いかかって来ても不思議じゃないんだよなぁ…



何故レズ…もとい百合プレイを選んだんだろう?



…いや、まあ…俺は一人でも大変なのに二人掛かりで来られたらヤバかったから、ありがたい事ではあるけど。



ソレに可愛い女の子同士のプレイなんて眼福だしね。



……待てよ?



マキナが百合プレイに及ぶまでのアレコレは大体予想出来たとして…



一番真っ先に疑問に思わなければならない事を後回しにしていたぞ。



なんでアイツ、こんな所に来たんだ?



俺らがいる事を知ってて、来たのか?



俺かショコラのどっちかに用があって?



だとしたらなんでこの場所に居るって分かったんだろう…?



鎧が出来たから性能テストしに来た…と予想して来たのかね?



それとも別の用があって来た、とかだったり?



通りがかったor別の用でココに来たら偶然俺らが居た系?



…いや、だとしたら双眼鏡とか小型望遠鏡で見る必要は無いハズ…



やはり俺らに用があって来た…の線が濃厚だな。



ソレだったら双眼鏡とか小型望遠鏡で俺らの姿を確認する、っていう行動の理由は合うし。



そしてショコラのエロい表情を見て性的に興奮…からの今の状況へと流れたって事もまあ納得できる。



とりあえずアイツらの性行為が終わったら聞いてみよう。



周りに生えてた背の高い草をあらかた斬り終えた俺は布の上に座り、マキナとショコラの喘ぎ声を聞きながら性行為が終わるのを待った。



…あ、一応背を向けてるよ?



だから声しか聞こえないけど…流石に反応するのは仕方がない。



女の喘ぎ声を聞いてアレがああなるのは男である証だし。



逆に女のエロい姿や喘ぎ声を聞いても反応しなくなった時が男として終わった時なんだろうな…



それか男に目覚めた時か。



…にしても草を刈りながら虫除けスプレーを撒いたおかげか虫が全然寄ってこねぇ。



効果が無いと思った虫除けスプレーでも短時間だけっぽいけど、意外とここまでの効果があるとは。



技術の進歩とは素晴らしいもんだ。

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