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「あ、程人さん早いですよ!」



廊下に出ると今度はクレインに遭遇。



森の中に置き去りというか…待つのが面倒なので先に行った事を責めるような言い方をしながら駆け寄ってきた。



「そうか?こんなもんだろ」


「少しは待っててくれてもいいのに…」


「俺が飯を作る可能性だってあるワケだからしょうがない」



ふて腐れたような顔をしたクレインを気遣うワケもなく…



率直に先に戻った理由を告げた。



…好感度コントローール。



ここで優しい態度を見せると好感度が上がってしまうので、そっけない態度をとらねば。



クレインなら学校で人気出たりしそうだし、近い歳の男子を好きになってもらわないと困ってしまう。



…流石にこんな少女の人生ってか未来?青春を邪魔したくはないからな。



俺みたいのを好きになられたら困るし。



…なんか女の子はダメンズを好きになる傾向があるらしいね?



『この人には私が居ないと…!(使命感)』的な感じになるんだとか。



そうなると普通に生きてる人達は対象外になるという悲しさ。



ちゃんと自立して生きてる男よりも、 自立出来ずに他人に甘える寄生虫なゴミでクズの方が彼女が出来やすいって…



正直者が馬鹿を見る。って正にこの事じゃない?



結婚したら大変な目に合うのは火を見るよりも明らかなワケじゃん?



そんで痛い目を見て後悔するなんて…目も当てられない状況になるのに、ソレを分かろうとしないのは何故?



女だから?ソレともバカだから?恋は盲目にしても流石に後先の事考えろよ。



目先の事を優先して痛い目みましたー…って先人達が、わざわざ実体験を元に被害者を増やさないように注意喚起してるのに…



注意だの警告を受け入れられないバカが大多数だから、歴史は繰り返されるのか?



…いや、まあ人を好きになってからソレを言えよ。って言われたら何も返せないけども。



…そういやダメな男に恋する女はいても、その逆…



ダメな女に恋する男ってのはあんまり聞かない気が…



…やっぱり母性本能とかが関係してくる系?



女は『ほっとけない!』だけど、男は『守ってあげたい!』だもんなぁ…



そもそも男女の差がほぼ無いんだから戦い以外で男側からの『守ってあげたい!』心理が逸れてきてんのが悲しい。



女性活躍社会って明らかに少子化の原因だし。



女性が第一線で活躍すると夜の生活が難しくなる上にキャリアを気にして子供を産みづらくなるワケで。



しかも戦場に行こうものなら…ねぇ?



下手したら子供産む前…恋人が出来る前に死ぬ可能性だってあるワケじゃん?



…ユニオンで女性の軍人の現場が少ないのは少子化対策って意味合いも兼ねてるとかなんとか。



やっぱり少子化対策するなら、女性は家庭に入って家事育児をしながら子供を増やしてもらうのが一番だよ。



適材適所。



女性は家事育児が得意だから家庭に入り、男性は体を動かすのが得意だから仕事に出向く。



だって家事育児が得意な男性なんて100人に数人居るか否かだし、女性で体を動かすのが得意な人も100人に数人居るか否かっしょ。



家事ならば失敗したらやり直せばいいが、子育てとなると失敗したらやり直しが効かない。



仕事も小さい時は休んでも取り返せるが、大きいビジネスチャンスの時に生理、妊娠、出産で休まざるを得なくなると会社に迷惑が被ってしまう。



結局…餅は餅屋と言われるように家事育児は女性が、仕事は男性がやった方が円滑に進むんだろうね。



ソレが社会の為でもあり、未来の子供達の為でもあり、自分のためでも…



ってか何故に完成した安定の形をわざわざぶっ壊して不安定にしたんだろ?



効率重視で追い求めた末の究極の安定した完成形『適材適所』の社会を、何を思って非効率で不安定な社会にチェンジさせてるのか…?



子供は遊ぶのが仕事で、学生は勉強が仕事。



主婦は家事が仕事で、大黒柱は金を稼ぐのが仕事…あれ…?



じゃあ育児は誰の仕事になるんだ…?



祖父?祖母?姉?妹?義理の親族?



なワケない…つー事は主婦?



家事の仕事があるのに掛け持ちで育児の仕事まで?



…そうなると負担率が……そうか!一夫一妻だから片方への負担が大きいんだ!



一夫二妻制にすれば旦那は金稼ぎ、主婦その一は家事、主婦その二は育児…で負担率が同じぐらいに!



家事に専念すれば余裕が出来た時に育児の手伝いが出来るし、その逆もまた然り。



育児に専念して余裕が出来たら家事の手伝いすればいいし…



専念してる分現状の一夫一妻制に比べたら負担はそんなに高くないハズ!



…コレは我ながらとてつもないアイディアを思いついてしまったな…!



俺のこの天才過ぎる頭脳が時々怖い…!

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