5
後味が良いか悪いかも本人の運次第、か…
運命って言葉に『運』って言葉が入ってるのもそういう意味だったりして。
生物の生きてる過程は全て創造主の意向で決められており、どんな道を歩むかは運次第。
そして人生も運次第。
他人に迷惑をかけまくって、犯罪を犯しまくって不幸をバラまいても運が良ければ罪を償う事もなく幸せになる…という後味の悪い鬱展開。
他人を助けまくって、救いまくって幸せや幸福をバラまいても運が悪ければ裏切られ汚名を着せられ不幸になる…という、これまた後味の悪い鬱展開…
やはり『恩を仇で返す』や『仇を恩で返す』は後味悪い事にしかならないぜ。
…そういう意味では因果応報や情けは人の為ならずがちゃんと働く世界の方が、後味スッキリで生きやすいのかも。
…つまりはギブアンドテイク。
働きに対してそれ相応の見返りがある…という常識の世の中が生物にとっての住み易い世界になるワケ…
ってアレ?なんでこんな意味分からん事考えてんだろ?俺。
…まあいいや。
自分でも理解しきれてない疑問を放り投げていつもの研究室へと向かう。
その研究室でなんやかんや色々な作業をする事一時間。
朝ご飯が出来たっつーショコラの報告を受け研究室から出る。
「はよー、飯はなんだー?」
「はよ、マッシュポテトとベーコン…スクランブルエッグとウインナーにクロワッサンらしいぞ」
部屋のドアを開けて挨拶しながら聞くとコーヒーを飲んでいたハルトが答えた。
…エリアの姿が無いな、まだ寝てんのか?
「…おお、いかにもな欧州食…作ったのはショコラか?」
「おう…?…ああ」
俺の呟きにハルトは不思議そうな顔をしたが問いには頷いた。
「あれ?もう来てたんだ?」
そういやショコラがいねぇな…と思ってると丁度本人がドアを開けて入って来る。
そして俺を見るとちょっと驚いたように疑問系でそう言った。
「どこ行ってたんだ?」
「?トイレだけど?」
もしかしてエリアを起こしに…?と思ったが、どうやら違うらしい。
「なんだ、エリアを起こしに行ったかと思ったぜ…」
「あはは、ないない」
束縛されてるとか監視されてるとか思われたら嫌なので思った事をそのまま聞くと笑って否定される。
「ハルト、お前起こしに行けば?」
「…遠慮する」
俺が提案するとラッキースケベに巻き込まれるのが嫌なのか拒否られた。
「あの…じゃあ私が起こしに行きましょうか?」
「「「ダメ(だ)」」」
クレインの可愛らしく首を傾げての提案に俺らの却下の言葉が被る。
「え?なんでですか?」
「なんでって…ねぇ?」
「…だな」
「…不測の事態に陥るかもしれないから、止めといた方が良い」
驚いたように聞き返してきたクレインに俺とショコラが目配せしてハルトが説明した。
「不測の事態?」
「アイツは寝ぼけてやらかすタイプだから」
「この前なんて寝言を言いながら手を伸ばしてきてね…」
良く分かってないようなクレインに俺がふんわり教えると、ショコラが体験談を途中まで話す。
…おそらくこの続きは胸を揉まれた。に続くんだろうな…
んでその後に手首を掴んで腕を捻り、痛みで起こしたんであろう状況が簡単に想像できる。
「その後はどうなったんですか?」
「え?それだけ」
「それだけ?」
「うん」
クレインが続きを聞くとショコラは適当にごまかした。
…まあクレインみたいな純粋な子にラッキースケベなんて説明するのは躊躇うわ。
そっち方面の耐性ってか知識みたいのは無さそうだし。
「…とりあえずアイツは電話でもして起こすとして…飯食わね?」
変な間が空いたところで俺はそう提案する。
「それもそうだね」
「なら俺が電話しよう」
「…いただきます」
ショコラが賛成するとハルトがケータイを取り出し、クレインが真っ先にご飯を食べ始める。
あれ?クレインってそんな我先に飯を食べるキャラだっけ?
…なんか暫く見ない間に食いしんぼうキャラにチェンジしちゃったのか…
一応育ち盛りだからしょうがないといえばしょうがないのかもしれない。
「いただきまーす」
「「いただきます」」
クレインに遅れるような感じで俺らも合掌?をして朝食に手をつけた。
因みに、ハルトはエリアに電話をかけてコールさせたままケータイをテーブルの上に置いている。
…あいつがココに来た時怒ってる。に100ペリカ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます