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その後。



なんやかんや無駄話をして時間を潰し…



夕飯を食って研究所に泊まり、朝を迎える。



「ふあー……まだ5時かよ…」



ふと目が覚めるも部屋の中はまだ暗く、時計を見るとまだ朝の5時17分。



二度寝しようとも考えたが…研究中のあるモノを完成させるため起きる事を決意。



…うひょぅ、冷てっ…



洗面所で顔を洗い廊下に出るも、研究員達はまだ誰も起きてないのか足下の非常灯しか点いていない。



…とりあえずストレッチしてから軽い運動でもするか。



俺は外に出て伸びをすると庭の方へと向かった。



そして軽くストレッチを済ませ、いつもの運動をする。



「…あれ?村さん早いですね?」



運動を終えて研究所の中へと戻ると寝起きであろう女子研究員が眠そうに目を擦りながら歩いてくると話しかけてきた。



…うーむ、スッピンなハズなのに普通に可愛いなぁ…



「なんとなく目が覚めて…君こそ早いね?」


「いやー、研究が面白い段階に入ってきたので…」



おかげで髪を整える時間や化粧をする時間も惜しくて…お恥ずかしい…と、頬を掻きながら苦笑する。



「コレは口説いてるワケじゃないけど、自分の好きなモノに没頭してる女の子って輝いてると思うよ?ソレに寝癖ついたままでもスッピンでも隙がある感じで普通に可愛いし」



本当に思ってる事を口にして下手に好感度を上げたら面倒なので、調整するために余計な一言を最初に持っていった。



「あはは…ありがとうございます、じゃあ頑張ってきますね」


「ん、頑張って」



ソレが功を奏したのか女の子は若干好意的に受け取ったように笑って歩いて行く。



…女って普段から髪型を気にしたり化粧を気にしたり大変だな…



男なんてせいぜい髪型ぐらいしか気にしないのに。



しかもモテたいという下心がある時だけ。



「…おはよーございますー…」


「…早いな」



一旦自室で色々整理整頓や確認をして、いつもの研究室に移動しようとしたらクレインが丁度部屋から出てくる。



目を擦りながら眠そうに挨拶してくるクレインに俺は驚きながら呟く。



…まだ6時になったばかりだぞ?



いつもなら大体7時~8時ぐらいにしか起きないのに…



「…程人さんこそ…早いですね…?」


「そうか?こんなモンだろ」



俺の呟きが聞こえたのか眠そうに聞いてきたので適当に返す。



「…そうなんですか…?」


「…とりあえず顔洗ってこれば?」


「…そうします…」



眠そうに目を開けたり閉じたりしてるクレインにそう提案すると踵を返して部屋の中に戻って行った。



…こりゃ朝食後は直ぐに修行にでも入りそうだ…



…まあ擬似的で完璧な治癒魔術を教えればアイツと関わる事も少なくなるだろうよ。



完全に関わらないってのはアイツが女である以上無理な話しだからねぇ…



面倒事でも女の子の為ならやるしかない。



因果応報、情けは人の為ならず…



人に悪い事をすると自分に返ってくる…その逆もまた然り、人に良い事をすると自分に返ってくる。っつー先人達の教え。



…だが恩を仇で返す、ということわざもあるからな…



一応仇を恩で報いる、という非常に稀な確率…



もはや天文学的数字でしか起こらないんじゃないか?っていう内容のことわざもあるし。



…結局人生何が起きるか全くの予測不能。って事だけど。



『恩を仇で返す』は『情けは人の為ならず』を否定し…


『仇を恩で返す』は『因果応報』を否定する。



…そう考えると、良い事しようが悪い事しようが最終的に自分に返ってくるのが何かは運次第…って事になるんじゃ…



人を助けても助けた奴に裏切られたり、人を裏切っても裏切った奴に助けられたり…

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