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「…完成っと…」
小麦粉、塩、水を混ぜ混ぜした後に練り練り踏み踏みしてできあがった生地を寝かせ…
ソレを麺棒に似た感じの代用品に近い棒で潰して伸ばして重ねて均等に切って茹で上げる。
そうして完成させた麺を昆布やら醤油やらで味を調えた出汁のスープに入れて一品完成。
みじん切りにした玉ねぎを溶かしたオニオンスープをベースに、味噌や胡麻を入れて冷やした冷製スープにも茹でて少し冷ました麺を入れ…二品目が完成。
キャベツにピーマン、オニオンスライスと一緒に炒めて適当なソースを混ぜて味を調え…最後の三品目も完成。
焼きうどんの麺、冷製スープの麺、掛けうどんの麺…と先に茹でた麺から使っていったので三品とも完成した時間は同じぐらい。
焼きうどんが少々時間かかったが…
それでも一品目を完成させてから二分も経ってないと思われ。
…でも正直冷製スープの方は微妙だなー…
俺は美味しいと思ったが、ほとんどのモノが美味しく感じられるからショコラ達に合うかどうか…
「へい、おまち」
「おおー…コレがうどん料理かぁ…」
「麺がスープの中に入ってるんですね!」
屋台のおっさん風のセリフを言いながらテーブルの上に並べると、ショコラとクレインが珍しいモノを見るかのように呟いた。
「うどん料理じゃねぇ、麺料理だ」
一応ハルトやエリアの分もテーブルの上に並べつつショコラの勘違いを訂正する。
「まあなんでもいいじゃん!いっただっきまーす!」
「あ!…イタダキマス!」
ショコラは俺の是正を適当に流すと我先に手を合わせてから挨拶のような事を言い、フォークを使って食べ始めた。
ソレを見たクレインがショコラと同じ所作をしてフォークを手に取る。
…俺からしたらうどんや蕎麦を食うのにフォークを使うってのは邪道だとしか思えんが…
箸なんてモンは異国出身以外は使えないからしょうがないのかもしれない。
確かに麺類を食べるならフォークの方が楽だし。
…パスタを食べる時は異国の人でも大体フォークを使ったりするからね。
だけど、なんかこう…うどんや蕎麦をフォークで食べてるのを見ると、もやもやするんだよなぁ…
俺なんて外食する時以外はパスタだろうがステーキだろうが箸で食ってるよ?
ステーキは切らないでそのまま齧りつくんだぜ~?ワイルドだろう~?
…流石にコーラを酸抜きで飲む気にはなれないけど。
…でも意外と酸を抜いたコーラも美味しいっていう。
ごくたまにではあるが、酸抜きの炭酸飲料が飲みたくなる時があったり…
(作者は炭酸飲料が飲めません)
おっと、ヤバいヤバい…話がズレるところだったぜ…
やはり異国で産まれて育った俺としては最初に身に付いた習慣として箸を使いたくなるんだなー…コレが。
リザリー達には、良くそんな器用な事が出来るわね…と不思議がられてるけども。
「うーん、パスタとは違った食感で美味しいね」
「はい!」
ショコラは料理の感想を言い、クレインがソレに賛同した。
「それはようござんしたねえ…ハルトとエリアでも呼んでくるか」
片付けを済ませた俺は適当に返してハルト達が居るであろう部屋へと向かう。
「お、もう出来たのか?」
「ヤー、ハルトは?」
「まだあの部屋に居るんじゃね?」
トイレに行ってなければな…と廊下で遭遇したエリアはどうでも良さそうに呟いてショコラ達が居る部屋へと入って行く。
「…おーい、飯が出来たぞー」
「…ん?ああ、もうそんな時間か…」
俺がドアを開けながら報告するとハルトはノートパソコンから目を離し、時計を見てから立ち上がる。
「エリアは先に行ってたぞ?」
「…さっきまでメシメシうるさかったからな…」
おかげでレポートも中途半端なまま出て行ったよ…と呆れたようにため息を吐いた。
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