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「まあ今日は夜も遅いし、一晩グッスリと寝てから結論を出したら?」
「あ、はい…そうさせてもらいます」
その時に俺がオーケーするかは分からないけどな…というのを言わずにそう提案すると、クレインは安堵したように立ち上がりペコリと頭を下げて研究所の中に入って行く。
…さーて俺もそろそろ寝…おっと、殺気…?
クレインを見送って両手を上に伸ばして伸びをすると後ろからのナニカを感じ、横にステップするように移動する。
「ちっ…」
俺が居た場所にナニカが素早く通り、少し先の地面に着地して舌打ちした。
「?…おっと…」
「えっ…!?」
ナニカが子供っぽいと確認するや否や直ぐさま追い討ちのようにもう一人?が突っ込んで来たので身体を捻ってヒョイっと避ける。
「…双子…?」
なんでこいつらが俺に向かって攻撃してくるんだ?
魔物ってバレたとしてもハルトがソレを許さないと思うんだが…
「女の子をイジめるなんて最低だぞ!お前!」
「…そうだそうだ!」
いきなり攻撃してきたナニカがハルトの親族である双子だという事が分かったので不思議そうに首を傾げると…
なんかいきなり意味不明に詰られた。
どの辺りから見てたのか分からんが、勘違いされて誤解してる事は確かだろう。
…くっそ、無駄な事ばっか考えてたからアンテナが疎かになってたか…
「…俺が?子供を?女の子を?なんで?」
「し、知らないよそんな事!」
「逆にこっちが聞きたいよ!」
俺の質問攻めに双子は少したじろいだが逆ギレ風に返す。
「…頼みを受けるか否か考えたらイジメなのか?」
「「え?」」
やれやれ…とため息混じりにそう聞くと双子は目を丸くする。
「アレは頼まれたから、考えてただけだよ」
「……じ、実力はあるようだね!」
「……は、ハルト兄が言ってた事が嘘じゃないか確かめただけはあったね!」
俺の状況説明に勘違いと誤解が解けたのか…双子は、あはは…と引きつった笑いを浮かべながら脱兎のごとく去って行った。
???なんだったんだ?今の…?まあいいや。
何故双子に絡まれたのか、攻撃を受けたのか不思議に思ったが考えるだけ無駄だと思いそのまま部屋に戻る。
さーて、風呂入って寝るとしますかねー…
「……ぁ……」
「?今度はなんだ…?」
部屋を開けようとドアノブに手を掛けると中から微かに声が聞こえた。
入る前にドアの上のプレートの番号を見て、ちゃんと自分が使う部屋であるかを確認する。
…だって別の部屋に入って情事中、とかの主人公イベントとか起こしたく無いじゃん?
「あっ…!や…もう…!」
「…我慢なんてしなくていいのよ」
部屋の中に入ると俺が使う場所なのにも関わらず、リザリーと女性研究員がベッドの上でにゃんにゃんしていた。
お互いに全裸では無いが着エロみたいな格好になっている。
くっ…!見たい!食い入るように見たい…!
容姿レベルの高い女の子同士の百合百合したプレイを見たい…!
が、ココはあくまで気にしてませんよー。的なスマートな対応をした方が男らしいかもしれん…!
「ふあ…!そんな…!今イっ…!」
「これからが気持ち良いのよ…?」
ぐおお…!多分小柄で可愛い感じの女子研究員に耳元で囁いてると思われるリザリーの様子を見たい!
俺は内心血の吐くような思いで我慢しつつ、いつものポーカーフェースでリザリー達をチラリと見て気にしない風な反応をしながら風呂場に向かう。
くっそー!!不意打ちであんなん見せられたら息子がスタンドアップするのも仕方ねぇじゃねぇか!
外まではギリ聞こえてないと思うけど、風呂場までは普通に聞こえてんだよ…!
女の子のこんないやらしい声を聞かされながら風呂に入るって、なんていう生殺しプレイ…!
つーかなんで俺が使う部屋であんなんヤってんの?相手がマキナなら混ざる余地もあったかもしれんのに、何故に部下である女子研究員?
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