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結局今はリリスの管轄下の将軍で右腕として頑張ってるけどね。



そういや書籍や伝承とかでもそうだけど…



天使が堕ちて堕天使…つまり悪魔になる事はあっても、悪魔が昇華?して天使になるって事はないんだよなぁ…



堕ちるのはできるけど、昇るのは無理?



ある意味カースト制度の究極系?



階級が下がりはしても上がりはしない?



天使は悪魔になるけども、悪魔は天使になれはしない…的な感じ?



神に仕え、人間を正しく導く役割の天使でも過ちで悪の道に走るんだから…



逆に悪魔が人間を堕落させずに、正しく導くような過ち?で善の道に走ったらどうなるんだ…?



俺は今までそんな悪魔を見たことも聞いた事も無いけれど、まだ出会ったり見聞きしてないだけかもしれないじゃん?



悪魔としての道を思いっきり踏み外してんだから、居たとしても目立たないように隠れてるハズだし…



…そういう悪魔が天使になるってアリ?



…いや、天界の立場からしたら無理っぽいな。



いくら悪の道を踏み外して善の道を歩いてるとしても所詮は悪魔…



潔癖な神共が受け入れるとは考え難いぜ。



そういう考えでいくと悪魔ってヤバくない?ってか凄くねぇ?



元天使でも普通に受け入れるあたり懐が広いというか…疑いが無いというか…



天界だったら悪魔の裏切りを危惧して内には入れないのに、冥界は天使でもオッケーよ?的な…



なんだろう…この…言い表せないモヤモヤした感情は。



…やっぱり潔癖でギチギチに縛られてると、天使でも自由な感じの悪魔に憧れるんだろうか?



…いや、人間とは違うんだから規則で縛られてるのが嫌になるハズは…でも…



うーむ、分からん。



自分が何を言いたいのか、表したいのか、さっぱり分からん!



つーワケでこの考えは終わりっ!



「キサキサ…貴様が、何故ここに!?」


「ちょいと野暮用でな、今帰るんなら見逃してやるぞ? 」



あたしゃの目的は双子の試練っつーやつを手伝う事であって、悪魔や魔獣を倒す事じゃないし。



戦うなんて面倒な事を進んでしたくねぇ…だから俺としては逃げてくれた方がありがたい。



「ババ…バカな事を…!」


「別に戦ってもいいけど…特級でもないお前が俺に勝てると思ってんの?」



触れもしないくせにどうやって勝つつもりなんだ?と俺は面倒事を避けるために戦意を喪失させるような事を告げる。



「ググ、ぐぐぐ…!」


「分かったなら帰れ」



悔しそうに歯ぎしりをして唸った悪魔にシッシ…と手を振りながら帰還を促す。



「ヤヤ…ヤれぇ!」


「ええー…」



俺の行動がプライドに触ったのか…悪魔は従えてる魔獣達を仕向けた。



一斉に飛びかかってきた魔獣共をやる気なさ気に殴る蹴るなどで撃退する俺。



10分もすると魔獣の群れは居なくなり悪魔だけに。



「ババ…化物め…!」


「いやいや…お前らが弱過ぎるだけだろ?笑わせんな」


「シシ、死ねぇ!」



怯えながら吐き捨てるように言った悪魔に適当に返すと捨て身覚悟で特攻してくる。



「…残念ながら、一回、死んでる身でな…」


「ヴアあああ!ハ、離せぇ!!」



悪魔に殴る蹴るなどの暴行を加え、適当な所を掴むと暴れ出した。



「…可哀想ダナー…」


「ヴアあああ!!イヤだああ!消えたく無いい!!ルシファー様ああ!!」



抵抗しようと俺に攻撃するものの、例のアレにより全くと言っていい程ダメージは皆無。



必死の攻撃すらもダメージを与えられない悪魔を憐れむと…



消える前に断末魔としてルシファーの名前を叫ぶ。

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