25
「…え?」
リザリーの姉は俺の即答に予想外のような表情になる。
「?どうかしたんすか?」
「…えーと…言葉の意味、分かってる?」
「はい、結婚っすよね?お互い一緒になるっつー」
「…え、ええ…?ど、どうしよう…!」
俺の返事にリザリーの姉がかなり困惑したように狼狽し始めた。
「どうしたんすか?…ああ、もしかして…」
「そ、そう!そのもしかして!」
「もう身体を重ねたいんすか?やらし~…まだ昼間っすよ?」
「ちっがーう!そのもしかしてじゃなーい!」
俺の下ネタボケにリザリーの姉は気持ち良いほど予想通りの反応でツッコんでくれる。
「ははは、分かってますって」
「もう、酷いなぁ…」
「…こうやって、押し倒して欲しいんでしょ?」
「ち、ちが…!」
笑いながら言うとリザリーの姉はソッポ向いてむくれたので俺は素早く近づいて手を取ると引っ張って押し倒し、ドSな意地悪ボイスで耳元で囁く…という被せ下ネタボケをかます。
「ほら…どうして欲しいんすか?」
俺は大人の小説よろしくリザリーの姉の耳元で良い声(下半身に響く低音ボイス)で囁く。
…普通の小説ではリザリーとかエルーとかの知り合いが入ってきて、なんやかんやのイベントが起きると思うが…
残念ながらそういう気配が無い上に今はフラグを感じないから無理だろう。
…あ、先に言っとくけど…みんなの予想してる通り本番とかヤらないよ?
胸もお尻も揉んだりして物理的にその気にさせる気は無いからさ。
あと恋愛フラグを立てる気も皆無。
ショコラ、マキナ、リザリーの三人分のフラグ管理で手一杯だからこれ以上は流石の俺もキツイ。
…つーワケで…しばしの間、茶番劇が続くけど許してね?
ソレを知らないリザリーのお姉さんの反応でも見て楽しんでおいてくれたらいとありがたし。
「ど、どうって…」
「本当は期待してるじゃないんすか?」
「ひぅ!」
狼狽えてるお姉さんに低音ボイスで囁いた後に耳にふっと息を吹きかけるとビクッとした。
「お姉さんも身体…持て余してるでしょう?」
「も、もう!おばさんをからかうんじゃありません!」
俺が少し顔を離して笑いかけるように問うとお姉さんはそっぽ向きながらそう言う。
…ええー…いやいや、見た目は若くて大人の色香を纏ってんだからおばさんは無いだろう…せいぜいお姉さんレベルだと思われ。
つーか自分からおばさんって…まあ確かに30超えたらおじさんおばさんだけどさ。
「…先に誘って来たのは、そっちっすよね?」
「…程人君の事だからどうせ分かっててからかってるんでしょうけど…」
…本気になったらどうするのよ…とお姉さんは普通の男なら一発で堕ちそうな顔で、落ちそうな言葉を呟く。
……はっ…!…いやいやいや!!逆にあんたのそのセリフで俺が落ちたらどうすんだよ!
今、危なかったからね!?88%がた落ちかけたからね!?
「…その本気になる、ってのは性的に?それとも…愛情的?」
「…どっちも、エッチをしてるだけじゃ愛情は湧かないけど…愛情が湧くとエッチしたくなるものなのよ…?」
俺の問いにお姉さんは扇情的な笑顔で言い、後半は意趣返しのごとく顔を上げて耳元で囁いてくる。
…おおう…!この顔、この声…下半身に響く…!
「…女って難しいっすね…」
俺は内心童貞のような事を思いつつも外面ではクールな振りして笑い、お姉さんの手を離して立ち上がった。
「そう?…そうでもないと思うけど」
「まあなんにせよ、お姉さんが本気になるのはありえないっしょ」
「なんで?」
お姉さんは首を傾げて呟きながら立ち上がると俺の言葉に今度は逆の方向に首を傾げる。
「別に本命がいるのに、他の女に手を出そうとしてるっていうゲスな男を好きになる女はいないと思うっす」
マキナやショコラ、リザリーという本命?がいるにも関わらず…その本命?っぽいリザリーの姉に手を出そうとするとか…
…これなんてゲスの極み?
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