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あの女の子が寝ぼけてベッドに潜り込んで来たにしてもどうやったらこの状況になるワケ?
人を下敷きにして寝るって普通無理だと思うけど。
全く予期せぬ状況に頭が困惑してるがとりあえず起こしてみる事に。
「…起きろ」
「んむ…?…んー……ふわぁー……あれ…?」
毛布を剥いで女の子を揺すると一発で起きる。
背伸びしながらあくびして座り心地がアレなのか下を見た。
「わっ!?な、なんで…!?」
女の子は今更少年に乗っかってる事に気付いたのか転げ落ちるように下りる。
…ええー…アレ、マジで無意識だった系?
俺、コイツらと同じ宿屋に泊まらなくて正解だったわー…
「…朝だ、起きろ」
慌てる女の子を見て若干引きつつ少年を起こす。
「んー…?…あれ?ナナシさん…?」
少年も軽く肩を揺すっただけで目を覚ました。
「………うわっ!もしかして寝坊した!?」
眠そうに目を擦って壁にかけてある時計を見た瞬間少年は急に飛び起きる。
「す、直ぐに支度しないと…!」
焦ったように洗面所に向かう少年を横目に俺は外に出た。
別に時間が決まってる仕事じゃないんだからそんなに焦らなくても良いと思うがね。
ドアの隣に凭れて腕を組んでると、ドタドタ!慌ただしい音が聞こえて来る。
そんでもって10分後。
「お、お待たせしました!」
「…お待たせ…」
急いで準備を済ませた少年と女の子が出て来た。
「…行くか」
壁から背を離してまたギルドに向かう。
はぁ、一日の始まりからこんな変なイベントが起きるなんて…今日はなんかありそうだな。
…どうやら俺のその考えは当たっていたらしい。
ゲーム風に言うならば、サブクエをクリアした後のメインクエの発生…だろう。
この街の北にある山岳地帯で最近異変が起きているとかなんとか。
なんでも今まで見ないような新種の凶暴な魔獣が現れたんだと。
しかも目撃されたのは一匹だけじゃなく複数。
ソレの退治をすればいいのか…と思いきや、微妙に違う。
国の異変を感じたお偉いさんがどっかの高名な研究者を雇ったらしくその補佐がどうたらこうたら。
んでもって…依頼の内容は、その研究者がちょうど山岳地帯の地質調査をするのでソレの手伝い。
でも、結局は魔獣を退治する事になりそうだけどねぇ…
とりあえず研究者は先に山岳地帯に向かったらしいので現地集合だってさ。
「研究者かー…どんな人なんだろう」
山岳地帯に向かう道すがら少年がそう言い出す。
「…さあな、だが…わざわざ危険な場所へ赴くというのは珍しい…」
「…よほどの、変わり者…?」
「変わり者…少しの間だけど上手くやれるかな?」
俺の女の子の話を聞いて不安になったのか頬を掻きながら苦笑いする。
「でも新種の魔獣って…どんなのだろう…」
「…普通の魔獣も凶暴化してると聞く」
「そうなんだ、じゃあ気合を入れないと」
少年は歩きながら目を瞑り集中力を上げようとしていた。
「…さっそく…来た…」
急に現れた魔獣を見て女の子がボソッと呟く。
「嫌なタイミング…」
目を開けてため息を吐きながら言うと剣を抜いて構える。
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