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…なんだろうなぁ、マキナとショコラのレズプレイなら喜んで見るけど…
ハルトとエルーのホモプレイだったらダイナマイト投げつけたい。
しかも点火したヤツ。
うーん………やっぱり同性愛的なのって異性にしか受け入れられないのか?
ホモなら女性に、レズなら男性に受けるみたいな。
変な事に考えが逸れながら街中を緩やかな速度で走らせてると少し手前で複数の男達が立ちはだかる。
「マキナ」
「うん」
「え、ちょっ…何を!?」
名前を呼んだだけで察したのか素早く皇女殿下にアイマスクとヘッドホンを着けた。
俺はクラクションを鳴らしてアクセルを踏む。
「「「「う、うわあ!!?」」」」
停まると思ってたトレーラーが速度を上げて近付いて来て焦ったのか男達は逃げようとする。
だが逃げ切れなかった二、三人を跳ね飛ばした挙句にその内の一人を轢く。
「ふん、ざまぁ…バカめ」
俺はサイドミラーを見ながら鼻で笑う。
「あんなの轢いて下さいって言ってるようなモンだよね」
「な、何かあったんですの!?」
皇女殿下はアイマスクとヘッドホンを外して辺りを見渡した。
「何も?ただ長旅でお疲れだろうから少し休ませようと思って」
「あ、そうでしたの…なら先に口で言って欲しかったですわ」
「ごめんごめん、俺らは口よりも先に手が出るもんだから」
「えー?私はそうでも無いけど…村だけだよ」
さっきの出来事をごまかすためにマキナと三文芝居を打つ事に。
その甲斐あって皇女殿下は特に気にしなかったようだ。
「それにしても…建物とかもボロボロですわね」
「そりゃ改修する業者も手抜きする奴らばかりだから」
「この街で仕事をしてるほとんど人達が楽して金を儲けたいと考えてるクズだからね」
政治家も警察も治安部隊も…貧民街に居る奴らは総じてクズだ。
犯罪を犯しても金さえ払えば無かった事になる。
警察や治安部隊の中には憂さ晴らしでホームレスや身寄りの無い子供を虐めてる奴らも居るらしいし。
いくら人員を入れ替えようが無駄。
どんどん腐敗していくだけだ。
一つの腐ったリンゴが大量のリンゴをダメにする。ってのは人間社会を上手く言い得た言葉だと思う。
まあこの街の場合は腐ったリンゴが入った箱の中に瑞々しいリンゴを入れる…というのに近いが。
どう考えても直ぐに腐るオチしか想像できない。
…それに人間一度楽を覚えたら後は堕ちていくだけ、だしねぇ?
「ほとんどの建物が国の建築基準を大幅に下回るような手抜き設計だしなぁ」
「正直、ユニオンに存在するとは思えないほどの超アウトローな街だし」
常に軽犯罪、凶悪犯罪、極悪犯罪、性犯罪が起こり…正に犯罪者のるつぼと言っても過言では無い。
「説明や話とかは聞いてましたが…恐ろしい所ですわ」
「犯罪者にとっては天国だろうよ」
何をしようと警察に金さえ握らせれば犯罪認定されないんだから。
「ココで産まれ育てば子供の頃から立派な犯罪者になってるから根深い問題だよ」
「この街を変えたきゃ赤ちゃん以外の大人子供を全員殺さないと無理だろうな…」
もはや犯罪を犯罪だと思ってないほど当たり前になってる人間は、今の社会に絶対溶け込めない。
さながらステーキ大好き!な肉食主義者に菜食主義を進めるようなモンだ。
素直に受け入れられるとは到底思えん。
「さて、そろそろかな?」
「えーと……この通りを抜けた先が広場になってるなら…そだね」
周りの景色を見ながらマキナに聞くと地図を広げてわざわざ確認してくれた。
「よし、広場の真ん中あたりに停めて…っと」
ただっ広い広場には露店も何も無く、ボロボロの格好の男達が数人地べたに座り込んでいる。
そして端っこの路地に近い所では薄汚れた格好をした子供達がトレーラーを見ていた。
「じゃあ始める?」
「その前に…皇女殿下、一つ忠告して置きたい事がある」
「なんですの?」
「この街に普通の常識は通用しない、だからこれからやる俺達のやり方に口を出さないで欲しい」
「……分かりましたわ」
皇女殿下は少し戸惑ったように頷く。
「んじゃあやるか」
「ん」
後ろのでっかいトレーラーを開いてから降りる。
このトレーラーは横側が上に開く仕組みなので物が大量に取り出せて便利なんだな~。
「ほいよ」
「ありがと」
トレーラーから取り出した改造ボウガンをマキナに渡して俺もホルスターに入ってるやつを腰や背中に着ける。
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