16
「あれ!?…ていと…だよ、ね…?」
ゴミ(見た目14歳♂)を持ってハルトの居る研究所のトイレに影移動し受付に向かって歩いてると廊下でショコラと遭遇。
「おう、最近よく会うなー」
なんか一回会ってからはなし崩し的に結構な頻度で会ってるような気がする。
「うっそー!どうしたの!?もしかして私に会いに来たとか!?」
ショコラは一気にテンションがハイになり興奮気味になって飛びついてきた。
「おおっと…まあ6割方は、残りの4割はハルトに用があって」
なんとかよろめきながらも抱きとめて剥がす。
「ハルトに…?」
「ん、このゴミをお届けに」
俺は引き摺ってたゴミ…もとい少年の襟元を掴んでショコラに見せるように持ち上げる。
「ゴミ…?…ってソレ、ハルトの弟子じゃん」
確か数日前から行方不明になって最近ハザードボルケーノに行ったって聞いたけど…なんでていとが?と首を傾げて不思議そうに聞いてきた。
「ある薬を作るために材料を収集してたら拾った」
拾ったってか押し付けられた、に近いけど。
「ひろ…?あ、そういう事か!だからココに…」
俺の言葉を聞いて悟ったのか納得したように呟く。
「ん、ハルトはどこ?」
「貸しはどれぐらいにしたの?まさか無償じゃないよね?」
「あいつは10でもいくらでもイイって言ってたけど…ちょうど拾った所だったから5にした」
「えー…勿体な、私なら迷わず10にしたのに」
不満そうに言い歩き始めたショコラの後ろに行くように歩く。
「ソレでもあいつに詐欺師って言われたぞ?」
「ん~…確かに私もハルトと同じ立場だったらそう言うかも…ってか皆言うんじゃない?」
まあ明らかに棚ぼただしな…俺があいつの立場でも絶対に詐欺師!って罵るだろうよ。
「今は多分ココに居たはず」
「おいーす、久し振りだな…ってお前かよ」
ある部屋の前で立ち止まったショコラが入った後に入り挨拶するとソコにはサマハルトの姿は無く…
代わりにポニーテールの美女男ことエリアの姿が。
…成長してリザリーやミラリス将軍とはまた違った感じの完全に処女!と言いたくなるような清楚美女、みたいな外見になっている。
「は?ちょ…!お前、テイトか!?」
エリアは俺を見て驚きソファから立ち上がった。
「うわっ!」
「あっ…!」
そして俺に近づこうと歩き出すもソファの角につまづき近くに居たショコラを巻き込んで一緒に倒れる。
「あれ?床が柔らか…」
「エーリーアー…!!」
お約束通りエリアが上になりショコラのお胸をモミモミした所で地を這うような恐ろしい声が。
「あんたは毎回毎回…!本当はわざとでしょ!?」
「ち、違う!不可抗力だ!」
怒って追いかけるショコラに言い訳しながら逃げるエリア。
養成学校時代からまるで変わってないやり取りを見て自然と笑みが溢れてしまう。
…あ、清楚な美女が可愛い女の子を押し倒してるっていう百合的な美味しい絵面を見たからかも。
しかも部屋の中を清楚な美女が可愛い女の子に追われて走り回ってんだぜ?
普通だったら絶対に見れない光景だって。
外見と内面のギャップがとてつもないエリアだからこそ、だな。
…おっと、そろそろショコラを止めないと魔術を使いかねん勢いだ。
「おいショコラ、落ち着け」
「離して!エリアをあの薬のモルモットにしてやるんだから!」
「た、助かった…」
「…あの薬?」
暴れるショコラを後ろから羽交い締めにしてなんとか宥めようとしたが…
『あの薬』『モルモット』という単語に反応した。
「面白そうだな、俺も協力しよう」
「え!?くそっ、裏切り者め!」
俺は手の平を返したようにショコラを解放し目の前で座っていたエリアを後ろから羽交い締めにする。
「ナイスていと、そのまま押さえておいて」
ショコラは親指を立てて近くのテーブルに向かう。
「離せ!嫌だ…!あの薬のモルモットは嫌だー!」
「暴れんな、せっかくの清楚美女みたいな綺麗な顔が台無しになるぞ?」
「ふざけんな!俺は男だ!顔なんて気にしてられるかー!」
離せー!とジタバタと暴れるエリアの言葉をシカトして逃げないように力を入れて押さえ込む。
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