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「…お、そろそろ昼だな…おーい、一旦戻るぞ!」



小型無線機で時間を確認し、花畑で花冠を作ったり追いかけっこしてる下の子達を呼ぶ。



因みになぜかこの花畑には他の魔物が寄り付かない。



だからなのかココには小動物のような魔物が生息している。



見た目が中々可愛い上に気性が温厚で人懐っこく下の子達の遊び相手になっていたり…



「えー、もうちょっと遊びたーい」


「でもお腹空いた…」


「帰ろ…?」


「うー…また明日ね、バイバイ」



下の子達は小動物的な魔物に手を振りながらこっちに歩いて来た。



「がおー!」


「…なにやってんだよ」


「…あれ?」



森に入ろうとした所で近くの木の陰からクマのように襲うポーズをしたキリが出てくる。



どうやら脅かそうとしてらしい…が気配を消してないから下の子達も俺もとっくに気付いていた。



「脅かすつもりならせめて気配を消せよ…つーか、学校は?」



制服姿って事は少なくとも朝までは学校に行ってたって事だよな?



「今日からテスト期間だから学校は午前中まで!」


「午前中って…今はまだ12時前だぞ?」



いくら学校がテスト期間だからってこんなに早く終わるモンなのか?



「えっへっへ…ナノ達と遊ぼうと思ってちゃっちゃと終わらせて皆より早く帰っちゃった☆」



ふーん…異国の学校とは違ってココの学校は終わらせたら帰っていい、って事になってんのね。



「って事はキリお姉ちゃん遊んでくれるの!?」


「うん、ご飯食べたらね」



ラッキー、午後はどうやって下の子達から逃げようか…と考えてたがキリが相手してくれんなら助かるわ。



「じゃ、早く帰ろう…ってかキリよ、お前そのスカートであの崖を登るのか?」


「え?うん、なんで?」


「いや、お前が気にしないなら良いんだけどさ」



…普通ならスカートで崖を飛び降りたりよじ登ったりするのは恥ずかしいんじゃね?



「…おとーさんまさかいやらしい事考えてる?」


「心配するのはいやらしい事なのか?どうして女の子ってそう性の方に邪推しがちなんだろうねぇ…」


「ひがんでないし!ソレに男の方が直ぐ性的に考えるじゃん!」


「そりゃ男は万年発情期的な生き物だからな」



男は女に比べて性に対する欲っつーもんが多く、ソレに反比例するように抑制する理性や判断が低下してるって説もあるぐらいだし。



まあソコを掘り下げると小難しくなるから生物が子孫を繁栄させるためのメカニズム、で終わっとこ。



「なんの話ー?」


「…意味、分からない…」


「喧嘩はメッ!だよ!」



歩きながらキリと言い合ってると下の子に怒られてしまった。



「ごめんごめん、ほらおとーさん仲直りの握手」


「仲直りも何も喧嘩じゃないだろ…」



俺はため息を吐いて差し出された手を無視する。

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