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あの後10分ほど瓦礫を崩しながら元円卓の騎士を探したが、結局死体は見つからなかった。
だが、瓦礫や地面に付いてる血を見る限り生きては無いだろう。
あの量は人間の致死量よりもかなり出てるし。
つまり…あの出血量で生きてたら人間を超えてるって事だ。
ソレならば俺が殺し損ねてても不思議じゃない。
まあ生きてたら今度こそ殺せばいいだけだけど。
次はあいつを人間だとは思わないから確実に仕留めてやるわ。
一応俺は呆然とした感じであの場所から離れ、そこらへんのスーパーのトイレに入りある場所に影移動した。
そしてそこでいつもの格好、声に戻して無線機を取り出してショコラに電話。
「…もしもし?」
「あ、ショコラか?一応終わったぞー」
「ええー…早いよ、コッチはもう少しかかりそう」
なんか電話越しにザワザワと騒がしいような音が聞こえる。
「んじゃ…俺は別の用事を済ませとくぜ?」
「別の用事?」
「ああ、私用っつーのかな?プライベート的な」
「どんなのか気になるなぁ…じゃあ終わったら電話するね?」
電話越しに悲鳴が聞こえ、忙しくなってきたから…と言って電話が切れた。
…いやいや、そっちの用事も気になるんだが。
まあ電話越しの色々を聞く限りでは調査隊の護衛兼特別補佐的な感じか?
多分、危険区域の生態調査だか地質調査かね。
ショコラならソコでついでに材料収集もするだろうな…
ってかソレは軍の方の仕事か?研究者としての仕事か?それとも両方か?
なんにしろ仕事ができるキャリアウーマンって羨ましい。
容姿レベルも収入も戦闘能力も知能も高い女…まさに才女です。
天才共を自分で集めといてこう言うのもなんだが…
ほぼ平凡で一般人のようだった俺との格差は激しいぜ。
…俺が奴らよりも優ってるモノは暗殺技術と経験の差だけ。
だって身体能力や技術面じゃ限界値、伸び代、伸び幅…全てにおいて劣ってるし。
はぁ…あいつらとの差を見せつけられる度に卑屈になってしまうという染み付いて取れない昔からの悲しき性。
…ソコらへんも平凡な一般人から抜け出せない要素の一つだよなぁ。
『周りは周り、俺は俺』と頭で分かってはいるんだけど…どうも飲み込めない、というかなんというか。
結局の所、凡才の人ならいざ知らず平凡な人では天才の人には勝てない。ってのが世界の理っつー事だ。
魔術さえ無ければ俺が世界で一番強いのに…
そう言い切れるだけの実力は兼ね備えてるのに!
魔術がある所為でトップ10からも弾き出されてんだよ!!ちくしょう!
魔術のバカヤロー!!
…さて…と。
いつものごとく凹むだけ凹んだし、あの少年の所にでも行くか。
ある種の賢者モード?のようになった俺はしゃがんで影に手を当て少年の居所を探る。
…んん?どこだ?おそらく行ったことの無い所…だな、多分。
少年の居る場所に心当たりが無いためその場所に近い公園のトイレの個室に影移動した。
「…ふむ、ココから歩いて20分ってとこか」
ココから目的地までの距離を割り出した俺はトイレから出てソコに向かう。
途中でスーパーに寄り紙パックのジュースを購入しソレを飲みながら歩く事10分。
目的地に到着。
…はは~ん、どうりで心当たりが無いハズだよ。
俺は目の前の建物を見上げながら心当たりが無かった理由を悟る。
なぜなら、目の前の建物は校舎だから。
つまり…あの少年は今現在学校に通ってる最中って事だ。
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