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「でもどうやって?議会は既にアイツの手中に収まっている」
「そうだな…あんた俺らより立場が下だけど、また王になりたいか?」
「無論だ、あんな愛すべき国民を虐げようもしている奴から王座を取り戻せるのなら…!犬にでも下僕にでもなろうぞ!」
おっさんは俺から目を逸らさずに力強く言う。
「別に下僕とか犬扱いはしないけどさ…まあいいや、じゃあ作戦は決まりだな」
「具体的にどうするの?」
「脅す、多分あの独裁者も同じ手を使っただろうし」
「うん、邪魔者の排除は私達がしたけどね」
やっぱり独裁者ってそういう手しか思いつかないんだろうね。
目には目を、歯には歯を…恐喝には恐喝を。
「協力してくれるか?」
「ええ、喜んで」
後ろから抱きついてるお姉さんに聞くと笑顔で即答された。
「…んじゃ、最初は元国王に戦線布告でも…」
「…今の時間ならちょうど王の間で議会の面々と祝賀会をしてるハズ、私は断ったけど」
お姉さんは腕時計を見てスケジュール?的なのを知らせてくれる。
「マジで?今まさに天は俺に味方してんじゃね?」
こうも都合良く展開が進むなんてラッキーだぜ。
本来の予定なら明日いっぱいまでかかるハズだったのに…
お姉さんが味方してくれるだけて大分楽になった。
「よーし、サッサと終わらせに行こうか!」
「おー」
急にテンションが上がり気分良く王の間に向かう。
道中の案内はおっさんがしてくれる事に。
っていっても10分ほどで着いたけどね。
「「「「…?ハッ!お疲れ様です!!」」」」
王の間の近くで警備してる兵士達はみんな一瞬目を疑ったような顔でお姉さんを見るも、悟ると直ぐに表情が強張り瞬時に敬礼した。
「さ、差し出がましいようでき、恐縮なのですが」
そんな中、兵士の一人が前に出る。
「言ってみろ」
「あ、明日の処刑が中止になった、という情報が流れてまして…ま、真なのですか…?」
「本当だ、そして…今の王を失脚させてまたこの王を復権させる」
「「「「「え、えええええ!!!??」」」」」
お姉さんの言葉に兵士達がコレでもかというぐらい驚愕する。
「…文句でもあるのか?」
「「「「「い、いえ!全てはミラリス将軍の意のままに!!」」」」」
殺気が混ざった冷たい声で聞くと、みんなは声を揃えて敬礼を止めバッと胸の高さに腕を上げた。
…ソレ、服従のポーズか何かなのか?
「では次の任務を言い渡すまでは自由行動を取っていい、解散しろ」
「「「「「ハッ!了解しました!」」」」」
兵士達は嬉しそうに敬礼すると顔を緩めて廊下を走って行く。
「噂に聞いた通りの統率力だなぁ」
「私の…噂?」
「ん、卓越した身体能力と類稀な統率、指揮力がある才女だとココに来る前に友達から聞いた」
「…なんかそういうの聞くと恥ずかしいな」
その気持ちめっちゃ分かる。
俺だってさっきあんな噂聞いた時すっげぇアレだったし。
恥ずかしいわ、情報は漏れてるわでなんとも言えんかった。
「ソレはさて置き…っと」
俺はドアを蹴破らん勢いで蹴って開ける。
「なんだ!?」
「…これはこれはシェリー将ぐ…ん?…やっぱり参加しに来たのかね?」
部屋の中では十数人のおっさんやらおじいちゃんやらがでっかく丸いテーブルを囲むように座っていた。
上座に座ってる多分独裁者?的なおっさんは細身で髭を生やした…見た目がいかにも小狡い感じ。
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