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「よし、袋叩きだ」



俺はエルーと二人して転がってる青年?を死なない程度に蹴り続ける。



「そろそろ良いかなっと」



気絶して血まみれになってる青年の服を剥いで両手両足を拘束した。



「にしてもお前…やりすぎじゃないか?」



周りを見渡すと黒焦げになってたり炭みたいになってる死体が大量に転がっている。



草なんかも焦げてて平原がまるで荒地のようだ。



「ちょっと加減を忘れてな…まあ威嚇にはなるんじゃないか?」



威嚇ねぇ…俺が担当した場所でさえ大量の屍やたまに土の塊に殺られたエゲツない屍があって精神的にキそうなのに…



ショコラの担当したD地点、マキナの担当したC地点を見てのこの有様は心へし折れるって。



死体だらけの道をなんとか通り抜けたと思ったら今度は焼死体だらけだぜ?



敵軍はモチベーション的に撤退を余儀なくされるだろ。



「ま、逃げてくれるんなら楽になるからいいか」


「下手したらヤケを起こして玉砕覚悟で突撃してくるかもな」


「女の子さえ無事ならソレでも構わないが」



どうせ似たような数だろ?



400万の軍勢すら数時間で全滅するぐらいなんだから少し増えた所で変わらんよ。



「女がいないと遠慮なく殺れるから気持ち的に楽だ」


「だろ?」



エルーと適当に雑談しながらリザリーの所へ走る。







お、おお…未だに争いは続いてるし、なんか大変な事になってるな。



リザリーの所に着いたら地形がかなり変形するほどの激しい戦いが繰り広げられていた。



…主に魔術師同士の戦いのような感じで。



「おい、お前はアイツと女の子達をカバーしろ…俺が全員ぶっ殺す」


「分かった」



大方最初の方でマキナやショコラ達みたいに遊んでたら押され気味になった、って所だろう。



いやー、でもまさかこんな何万人もの魔術師を相手に持ちこたえてるとは…凄ぇ。



エルーがリザリーの所に着いたのを見て俺は無名に手をかけた。



さて、あの女の子達はリザリーやエルーが守ってくれるだろうし…



殺るか。



俺は少し腰を落とすと目を瞑り、深呼吸する。



そして走りだして全身のバネを使うように無名を抜く。



「七天抜刀」



俺が無名を鞘に納めると敵側の魔術が止まった。



数秒後…A地点に居た魔術師を含めた兵士全員が屍に変わる。



おお!新技だ!



今、七天抜刀に斬撃的な衝撃波がプラスされてたし!



この前まではそんな事無かったのに!



ただ…その所為で攻撃範囲が広くなってしまったからあんまり多用はできねえ。



使い過ぎると生かして置くべき奴まで殺しそう。



「よう、頑張ってたな」


「なによ今のデタラメな攻撃は」


「ん?新技じゃね?俺もあんな攻撃は初めてだし」


「新技…今のお前の攻撃はかなり強そうだな」



リザリーの所に行くと二人共警戒したような感じで俺を見ていた。



「あー…まあお前らは分かる側だろうと思ってたけど」



一般人と大差ない奴がいきなり強くなってたら誰だって警戒するわな。



「…分かる側って?」


「相手の力量を正確に測れる奴って事、多分今の俺と戦えばいくらお前らだろうとタダじゃ済まないぜ」


「ソレはどうかしら」



リザリーがいきなり俺に向かって剣を突いてきた。



速くて鋭い突きだったが人差し指の先で止める。



この手袋じゃなきゃ出来ない芸当だ。



「…ビクともしないわね」


「お、身体強化してる?」



リザリーはかなり力を入れて剣を押し込んできてるが俺の指の位置は全く動いていない。



だが身体強化してるからか思った以上に強い力だった。



「そんなに強いのか?」


「とめろよ、つーかそろそろ昼飯の時間だし…マキナ達が来たら街に行かね?」


「……そうね」



これ以上はやっても無駄だと悟ったのか、諦めたように剣を引いて鞘に納める。



そして30分ぐらいしたらマキナとショコラが歩いてきた。

































































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