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「なに?」


「ちょっとその身体能力を見せて」


「ヤダ、お前だって奥の手は晒したくないだろ?」


「お願い!ちょっとだけでいいから」



腕を掴んでグイグイ引っ張るリザリーとその場から動かないように踏ん張る俺。



「なにしてるのー?」



5分ぐらい頑張ってると後ろからマキナの声が聞こえた。



「動かないように踏ん張ってる…!」


「部屋に連れて行こうと引っ張ってるの…!」



返事をしながらお互いに一歩も譲らずに力を入れる。



「?部屋ぐらい行ってあげたら?」


「うおっ!?」「きゃっ!?」



マキナに軽く背中を押されて俺とリザリーはバランスを崩した。



俺は動くまいと少し後ろに重心をかけリザリーは引っ張ろうと前に重心かけている…



そんな中、背中を押されたら当然リザリーの引っ張る力に負けるわけで。



だがソコは俺のスーパーな反射神経が働いた。



逆にリザリーの腕を掴んで引っ張り身体を捻って後ろのマキナにぶん投げる。



「いてっ!」


「わ!」



結果は…俺だけ床に倒れた、背中から。



リザリーはマキナが受け止めたため、なんとか俺が押し倒すっつーテンプレなイベントを回避。



「マキナ…急に背中を押すなよ、危なかったじゃねえか」


「ごめんね、あまり状況を把握できてなかったから…」


「ったく、エルーだったらリザリーを押し倒した挙句に胸揉んでる所だったぞ…」



あいつもなかなか主人公的なイベントを起こす奴だからな…



「確かに…程人で良かったわ」


「で、何してたの?」


「リザリーが俺の奥の手を見たいって言うから拒否ってた」


「???奥の手?」



マキナは良く分からないような顔で顎に指を当てて首を傾げる。



「気にすんな」


「…そだね、誰にだって知られたくない秘密の一つや二つはあると思うし」


「聞いたか?」



俺はニヤニヤ笑いながらリザリーに振った。



「…そうね、私とした事が少し踏み込み過ぎたみたい」


「あ、そうだ…明日の何時頃に行くんだ?」


「朝イチで行こうと思ってるけども…何か用事でもあるの?」


「いやいや、起きる時間の心配をしてたから」



朝イチって事は多分日の出に合わせてだろうな。



…念のため寝る前に魔王城に影移動して武装服に着替えておくか。



孤軍奮闘する時か寒い時にしか着ない武装服…



その名はパーカー(フード付き)。



その服は魔界の植物の中でもピカイチの強度を誇るモノの繊維で織られている。



魔界の魔族の職人さんにお願いした所…なんと織るのに一ヶ月もかかったらしい。



触った感じや着た感じは普通の服と大差ないが、防御力が半端じゃない。



普通の兵士じゃ剣を振おうが槍で突こうが戦弓やボウガンで射とうが全く傷一つ付かない。



ダイナマイトでさえその服を少し破くには50本近く必要になる。



その耐久力なのに重さは普通の服と同じ。



なんせ魔界の植物製だからね…傷付いても再生して元に戻るし。



ズボンも似たような耐久力だから全身ダイヤモンドの鎧に包まれてるようなもんだよ。



この武装服を着てたら、異国のマシンガンに撃たれようとも、戦車に砲撃されようとも、忍術の攻撃を受けようとも…



おそらく衝撃でよろめくか倒れるだけでダメージは全然与えられないんじゃないかな?



しかも炎程度じゃ燃えないっていう。



流石に溶岩クラスともなると溶けるけどさ。



一応俺の完全武装をいうと…


いつもの魔界製の長袖+最強?パーカー(フード付き)


魔界製の最強?長ズボン


魔界製の最強?靴


魔界製の最強?手袋(両手)



実際は最強かどうかは分からないけど、俺が持ってる服の中じゃトップの耐久力なんだよね。




























































………………マキナのマッサージ中…………………


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