35

「男を脱がして、下着+スカート姿で合体したら包帯をやる。と」


「中々マニアックな趣向ダ…だがそれがイイ」


「だろ?見た目はスカートが邪魔して、ただ普通に男の上に座ってるようにしか見えなかったが…息づかいや表情が良かった」



包帯男が愕然とした表情をして女の子を見る。



あいつが明らかに女の子の足を引っ張って辱めを受ける事態になった原因だよな。



だってあいつがいなけりゃそんな事態にはならなかったと思うし。



「あの包帯はyouが渡したのカ?」


「傷薬もあげた」


「……なんというカ…そこまデいくと徹底してるナ」


「だってよ…傷薬と包帯を渡すだけで、女の子が屈辱的かつ羞恥の表情をしながら目の前で男と合体してる様を見れるんだぜ?安いもんだろ」



合体してるかどうかは見た目的に分からなかったが、シチュエーションとしてはかなり上等じゃねえか?



基本二次元でしか…しかもかなり特殊な部類に位置されそうなのが、実際に見れたんだ…



これで興奮しなきゃ男じゃねえ!



なんともない奴はオカマかオネエだ!



…さて、ここでおそらく周りの人たちが疑問に思ってるであろう事を解消しよう。



なぜハンター達は俺たちが喋ってる事をただ聞いてるだけなのか?



先手必勝で隙を突いて攻撃しろよ。と思ってるかもしれんが…ソレが出来ないんだよ。



俺とバンダナは当然ハンター達から目を離してないし、いつでも動けるように気を張っている。



その状態に加えて…あの女の子達から聞いたであろう俺の実力だ。



あいつらが二回攻めて、二回とも返り討ち+辱めを受けてるんだから当然あっちも俺を警戒してるだろう。



下手に…闇雲に攻めても返り討ちにあうだけだ。って察してると思われ。



しかも自分達が戦いたかった場所じゃないんだから迂闊に動けないよねぇ。



まあイコールで、俺とハンター達との実力の差がそれほど圧倒的に離れてるって事なんだけども。



更にあっちには足手まといの包帯グルグル男がいるし。



マイナス要素しかない負け戦とか…可哀想すぐる。



「つーか、二回もあんな事されてまだ俺の前に現れるとか…ドMなの?それともドMになったの?そういう願望ありき?」


「…違う!」



ここで初めてあの女の子が大声で叫んだ。



「どうでもいいけど…そっちは4人+足手まとい、なわけじゃん?」



俺としてはめんどうな戦いは避けたいんだけど。



「ここまでしておいてふざけた事を言うな!」


「いやいや、あんたら勘違いしてるぜ?」



俺は襲われたから正当防衛的なアレで返り討ちにしただけで、本当は穏便に済ませたかったんだよ。



もう過ぎた事だしソレはしょうがなくね?と首を傾げて言う。



「く…!」


「俺ばっかり悪者扱いしてるけどさ、最初はちゃんと話し合いしようとしたじゃん」



その時もそいつらが有無を言わさず襲って来たから逃げただけだし。



「…っ!」


「そのハンター達に、ヴァンパイアは退治したから帰れって言わなかったっけ?」



そんな感じの事は言ったよな?言ったっけ?



うーん…退治した。っては言ったけど…



「ヴァンパイアを…退治したのカ!?」


「ん?ああ、ヴァンパイアエクスキューショナーっつー中々強い奴をな」


「エクスキューショナー…処刑人…?」


「ヴァンパイアの中でも秩序を乱した奴を断罪する役割を担う奴だ」



例えば…



同族を手にかけた

人間を必要以上に襲った

人間を意味も無く襲った

眷属を使って人を襲わせた



とかの行為が断罪対象に当てはまる。



人…個体?個体によっては裏切りも断罪対象に入るらしいけど。



「眷属を使っテ人を襲わせタ…?」


「眷属って元は人間だからな、強要されない限り人は襲わない」



ああ、眷属っつーのは人間からヴァンパイアになった中でもヴァンパイア性が薄い奴の事を指す。



聞いた話だとソレも一応才能らしく、ヴァンパイアに向いてる人間と向いてない人間がいるらしい。



ちなみにヴァンパイアエクスキューショナーは全部で4体いて…その中の一体は元人間だと。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る