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「ふぐぉー…疲れた」


「ご苦労様」


「まさか精霊が出てくるとは…予想外だったわね」



舞台袖に行くと、リザリーとマキナが待ってました。と言わんばかりに寄ってきた。



「あの精霊、ミイリって言ったっけ?後でニーナに聞いといて」


「そのつもりよ、それよりあの子…強かったわね」


「そだなー…魔術だけならかなりの戦力になるな」



後方戦闘部隊として、しか使い道は無さそうだけど。



あ、言っとくけど…魔術使える奴でコイツらみたいに戦える奴ってかなり少ないよ?



リザリーやマキナ、エルーにショコラにハルトと言った兵士養成学校出身じゃないと、ほぼいないかも。



なんせほとんどの魔導学校では魔術の事しか教えないし、戦いもおそらく魔術のみ。



だからその経験がそのまま弱点になる。



懐に飛び込まれたらお終い。



火力は凄まじいが小回りが効かない…ってぇの?



ま、そこらへんを補うために戦場に出る魔術師には護衛がつくんだけどさ。



「そういや…クレインのテスト結果見た?」


「いえ、まだよ」


「私も…ね、今から見にいかない?」


「そだな、紙が貼り出される場所は知ってるし…学年TOP10に入ってるといいけどなー」



生徒たちは今回の特別講演についての感想を書かされてるだろうから、今なら目的の場所に直ぐ着くだろ。



教室に戻る生徒がごった返してると移動がめんどくさいし。



俺たちは校内に体育館を出て校内の多目的広場みたいな所に向かった。



「おっと、一学年だよな?」


「えーと…凄い!満点で一位だよ」


「あのルメラって子も同点一位ね」



おお…凄え、500点満点中、500点満点が4人いる。



上から、ナターシャ・クレイン

ルメラ・マグイック

ヤジバ・N・ランギーニ

ジュウシロウ・サジュウ、の順だ。



因みに2位…5位になってる奴は489点だった。



ジュウシロウ・サジュウってもしかして異国出身じゃね?



漢字にすると砂重 十四郎だと思うんだが…気のせいか?



「あいつ、頭良かったんだな」


「誰が勉強を見てたと思ってるの?私の姉よ」


「あ、そういえばさっきリザリーのお姉さんからケータイに着信があったよ」



マキナはポケットからケータイを取り出して弄り始める。



ココで言うケータイとは、小型無線機の事だ。



正しくは携帯電話と言うらしい、俺は小型無線機と呼んでるが。



昔の人達が必死で打ち上げた75個の人工衛星を使い、軍の特殊電波で離れた人と会話できるってやつ。



普通の電波では魔物や魔獣が傍受して場所がバレてしまう恐れがある(昔実際にあった)ので普及はしてない。



軍が一般の人達に貸してる特殊電波は固定電話のみ。



特殊電波は全部で三種類あり、α、β、γと分かれている。



一般に貸してるのはα、軍専用がβ、最重要機密がγとなってるが…



俺達が持ってるケータイは全ての電波を受信できる仕様だ。



俺のは修行と称した異世界流しの餞別として日比谷から貰った。



かなり丈夫に出来てるらしく、ちょっとやそっとじゃ壊れないらしい。



…なんだかんだでもう5年も持ってるからな…丈夫さは折り紙付きだ。



一応、俺の番号を知ってるのは前まで魔王城の人間だけだったけど…今はエルーを合わせた友達8名まで登録されている。



ケー番登録者数計14名…アドレス帳にあと686件の空きがあるっていう悲しさ。



「姉さんから?……私には何も無いけれど」



リザリーもケータイを取り出して弄り始める。



テッテテテー!テレッテッテッテー♪



そこで丁度よく俺の無線機が鳴った。



「もしもし?」


「テイトか?俺だけど、今どこだ?」


「おれおれ詐欺ってもう古いぞ?」



今はなりすまし詐欺と劇場型詐欺がトレンドだっけ?



「エルーシャだ!近くにマキナかリザリーはいるか?」


「いるよ?代わるか?」


「どっちかにリザリーの姉さんから連絡が来てないか?」


「ああー、そう言えば今しがた。マキナが折り返し連絡しようとしてたな」



マキナを見るとケータイを耳に当てて不思議そうに俺を見た。

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