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「…すみません…俺の、努力不足でした…」
すっかり意気消沈して男子生徒は泣きそうな顔で座る。
「はい次、そこの女子」
「はい!マイクマイク…質問します!」
「どうぞ」
元気一杯といった様子で女子生徒は立ち上がった。
「どうしたらお二人のサインが貰えますか?」
「…え?」
「サイン?」
「どうしたらお二人のサインが貰えますか?」
リザリー達が聞き返すと全く同じセリフを繰り返す。
少し考えた後に何かを思いついたらしい。
「そうね…じゃあ、助手と戦って一撃を食らわせられたら。でどうかしら」
「はあ!?」
なんだそれ!俺を巻き込むなよ、何がしたいのか全っ然わからないんだが。
リザリーとマキナは理事長を呼んで何やらコショコショと内緒話をしている。
…とんでもなく嫌な予感がするんだけども。
かと言ってこの状況で逃げれるわけもなし。
なりふり構わずだったら逃げれるが、そこまでして?って話だよな。
話が終わったのかマキナが俺に近づいてきた。
「えー、突然ですが、これからレクリエーションを行いたいと思います」
理事長が壇上に上がってマイクを取り喋る。
「内容は簡単でアイリス、ミリア魔導博士の右腕ともされる助手との闘い、です」
右腕!?なんじゃそりゃ…二人の右腕ってどう言う事?言葉の使い方あってる?
「生徒のみなさんはこれから中等部と高等部に分かれてグーパーで各25人、合計50名の代表を出してもらいます」
そこまで言うと理事長は教師達を舞台袖に集めて詳細を伝え始める。
5分後、教師達は生徒達の所に戻って詳しい説明を始めた。
…俺にも詳しい説明プリーズ。
隣にいるマキナに聞くと意外とあっさり教えてくれた。
要約すると…
生徒が俺に一撃食らわせたら、二人のサイン入り色紙が貰える。
一撃の判定はマキナ、リザリー、理事長、戦闘魔術を担当してる教員の4人。
その4人が○と×の紙を持ち、二人以上が○の紙を上げれば一撃と判定される。
もし俺を倒せる事ができたなら…サイン入り色紙+二人が抱きしめる、の報酬だとさ。
あと体育館の半分を場内として線を引き…身体の一部、もしくは攻撃が線の外に出たらその生徒は失格。
俺が線の外に出たら倒された事になるのか?
まあそれ以外は何でもアリ。
武器、魔術、急所攻撃…全てアリ。
なんでも実戦みたいに殺す気でやれ、と生徒達に伝えてるんだってよ。
マキナから内容を聞いてマジかよ…と呟くと、生徒側の代表者達が決まったらしい。
「決まった?じゃあ始めましょうか…その前に」
「学生と助手じゃ実力の差がありすぎるから…ハンデね」
「は?」
マキナに両手と両足に手錠をハメられた。
…え?俺、この状態で闘うの?マジで?
…学生相手だったら良いハンデに…なるかぁ?
両手両足を手錠で拘束された俺
vs
ほぼなんでもアリの生徒達。
明らかに消化試合の要素が強いよね?
マトモじゃねえよ…
俺は線で仕切られた壇上側のコートの真ん中にピョンピョン跳ねながら移動する。
俺がいるコートと観戦する生徒の間には教師が数人、等間隔で並んでいた。
おそらく代表者達の魔術などで他の生徒に被害がいかないようにだろう。
「並んでる教師の前にある、あの線の内側に入ったら開始ね」
え?もしかして50対1?…なわけないよな?
いくら俺でもこの状態でエリート50人の相手は無理だぜ。
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