『人間、辞めましたシリーズ』

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運命ってのはさ…

ストーリーのようなものだと思うわけ。

ゲームだったり、漫画だったり、アニメだったりの。

俺は今生きてるじゃん？間違いなく生きてる。

痛みも感じるし、楽しいとも思う、ちゃんと赤い血も流れている。

そんな俺の運命は既に決まっていると思うんだ。

自然界の理のように変えられようがない事実。

俺の運命…すなわち、俺のストーリー。

小説や漫画、アニメで言う物語。

ゲームで言うプログラミング。

それが変わったらどうなると思う？

そう、物語が成り立たなくなる。

決まった役割の奴が変わった役割をやれば、世界が終わる。

演劇とかでもそうだろ？

本来なら勝つ奴が負ける、死ぬ奴が生き残る、負ける奴が勝つ、生きる奴が死ぬ。

そんな事になったら劇はめちゃくちゃだろ？

その物語は終了、終わりだ。

運命を変えれば世界が終わる。

俺らは運命と言うストーリーの中で『生かされている』と考えた方が妥当じゃないか？

当然、役割を果たすまでは死ねない。

自殺もできない…と言うかシても生き残る。

障害が残る可能性は大だが。

つまりは俺ら生物は、なにかしらの役割を果たすまでは生かされている、キャラクターだ。

そして…役割を果たせば死ぬ。

問答無用で、排除される。

事故、事件、病死、自然死……どのような方法で死ぬかはその時まで分からない。

死ねずに生かされている…俺らの意思とは関係なく。

神よりも偉い存在…俺らを、この世界を、神を生み出した存在。

創造主、とでも呼んだほうがいいか？

そいつの気まぐれで生物の命が左右される。

俺のキャラは多分、脇役だ。

主人公では無いだろう…だからこそ、こんな考えに行き着いたわけだが。

突然だけど、色んな事件事故病気を合わせて…人間の一日の生存率ってどれぐらいか考えた事あるかい？

地震

雷

火事

隕石

戦闘機墜落

強盗

通り魔

自動車事故

自転車事故

転んで頭打ったり

風呂場で転んだり

何か飛んで来たり

動物や魔物に襲われたり

水難事故

二酸化炭素、一酸化炭素中毒

過呼吸

脳梗塞

心筋梗塞

その他色々…

それらを生存率から引けば残りの%って凄え低いんだぜ？

じゃあ何故そんな低い中で生き残ってるのか？

…まだ役割を果たして無いからじゃないかな？

どんな役割かは知らん。

が、必ず人それぞれ…生物それぞれ役割を持っていると思う。

悪魔も天使も神も魔王も。

抗えない世界の理。

運命は変えらない、絶対に。

俺らは創造主がひいたレールの上を走らされてる電車に乗ってるだけだ。

降車＝死

脱線＝世界の終わりを意味する。

だから…

軽々しく『運命を変える』だなんて口にするなよ？

絶対に、100%無理だから。

「ゴメンなさい」

「心を読むなよ」

女神ユリスは俺を強くギュッと抱きしめて謝った。

心を読む力って防ぎようがないよねー、誰か対抗策求む。

つーか、俺の上半身の骨がだいぶ砕けたのは雰囲気的にツッコまない方がいいのか？

流石は女神、容姿だけじゃなく力の方も人間とはかけ離れてるぜ。