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「やっと今日で終わりかー」
二週間に及んだ王女の護衛も今日で最後だ。
明日の朝には使者と一緒に国に帰るらしい。
初日以降はテロ組織も特に目立った動きは無く、二日に一回の割合でテロリストが玉砕覚悟で襲いかかってきたぐらいだった。
当然俺の手によってあの世行き。
今考えたら、結構人数が多かったような気がする。
えーと…ひーふーみーよー…全部で70名余りぐらいか。
生き残ってるのは初日に廃人にした奴一人のみ。
雑魚以下の奴らが人数ばっかり揃えてうっとおしいったらありゃしない。
そして今日はこの二週間で一番の大イベントがある日だ。
ユニオンのお偉いさん方と、オーストラリアの王族やお偉いさん方との親睦会が開かれる。
第一王位継承者の王女はもちろん、現王様や現女王…第二王位継承者から第十一王位継承者まで来るらしい。
今までクズしか当てて来なかった事から予想するに…テロ組織はこの日に標準を合わせてたと思う。
親睦会に王様達が来るのを俺が知ったのは昨日なんだけど。
姫様がお父様がうんたらかんたら言ってたから、使者に聞いたらなんと!的な。
しかも場所は官邸の中でもトップ…ローズド・ワール宮殿。
宮殿だよ、宮殿。
流石にベルサイユ宮殿よりは二回りぐらいサイズは劣るけど、それでもバカでかいよ?
んでエルーに宮殿の警備体制を聞いたら、これまたびっくり。
世界屈指の強さを持つ者に与えられる称号である、円卓の騎士。
その円卓の騎士の中の一人が警備につくと。
円卓の騎士の称号を与えられるのは全部で12名いる。
実はその中の9名はユニオン出身って聞いたな。
俺も詳しい事は分からないけど。
因みに魔王の六体の内の一人で世界最強の人間、日比谷 恭亮はその昔…円卓の騎士だったとか。
しかも円卓の騎士の中でもトップ、最強の称号『アーサー』を与えられてたらしい。
その人間最強の称号を持つ日比谷がなぜ今の魔王の側に付いたのかは分からない。
称号を棄ててまで魔王を守りたいナニカがあったのかね?
ああ、そういやあと一人。
魔王の六体では無いが、魔王軍に『ロウ・タスペンス』と言う日比谷と同じ元円卓の騎士の人もいたな。
確か称号は…『パーシヴァル』だったか…?
エコー・アルバトロスも円卓の騎士の『ガウェイン』最優先候補だったのに…惜しいよなー、ホント。
アルバトロスが『ガウェイン』最優先候補だった事を知ってるのは極少数。
なぜ俺が知ってるのか?と言うと…
リザリーとマキナとエルーが遺伝子研究の超国家機密データをブラックワイズから無断でコピーした書類に載っていたのを、偶然目にしたから。
俺がエコー・アルバトロスと面識が有ると言う事はまだ言ってないし、知られてない。
だから多分、あいつらは流し読み程度で記憶の片隅に残ってるかな?ぐらいだはず。
…話がズレまくった、修正修正。
まあとりあえず心配無用!って事だな。
テロ組織がどんなに強い人材を投入してこようが、その人材が円卓の騎士でも無い限りは安心。
それだけ円卓の騎士の称号を持つ人間は強いって事。
それに俺も居るし、万が一の事態には99.8%ならないだろ。
「姫様まだー?」
「もうちょっとだ!」
俺が思考の海から浮上してきても姫様はまだ着替えきれてなかった。
今着替えてるのは堅っ苦しい正装ではない。
俺の故郷で着られてる『浴衣』と言うやつだ。
リザリーがどこからか調達してきたソレは王女のサイズにピッタリだった。
「手伝おうかー?」
とりあえずドアを少し開けて声をかける。
さっきは姫様が、これくらい自分で出来る!と追い出しを食らったが…着付けが長いよ。
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