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「うわっ」
直ぐさまパッと人型になり俺の上にのしかかった。
『うふふ…創造主ぎゅーっ…!』
ニーナに押し倒されたあげくに倒れたまま抱きついてくる。
「はぁ…離れろー……リザリー、マキナ…ヘルプ」
『創造主ぅ…良い匂いだよぉ…創造主ぅ…ねぇ……ああん』
柔らかい胸が思いっくそ当たって上手く抵抗できない…
だが自分で剥がせないなら他の人に頼るまでだ。
甘えた声を出し、俺の体に脚を絡ませてきた所でマキナとリザリーがニーナの両腕を持ち上げて剥がした。
流石は女の人化、柔らかい身体しやがって。
リザリーと似た感じの容姿だから、抱きつかれるとすっげードキドキする。
違いは髪の色と目の色と髪型…あと胸が少し大きいぐらいか?
体型や身長は一緒だしな。
「コレが人化だ、見て分かっただろ?」
本隊の人も学生もみんな顔を真っ赤にして座り直した俺から目を逸らす。
エルー達にとってはいつもの事だから特に変わった反応は無し。
『むー…せっかく楽しんでたのにー…』
ニーナはむくれながら俺の背中に抱きついてきた。
「だから人化の制限をかけてたのね」
「そゆこと」
『にゃー、にゃー…にゃ』
抱きついたままゴロゴロと猫みたいに俺の背中や頭にすり寄る。
「あ、の…すいません、ティッシュは…」
リーダーは上を向いて鼻を抑えながら聞いてきた。
「ちょっと待ってね…」
辺りを見るとほとんど人が上を向いたり鼻を抑えてる。
…うーん、ニーナの人化はちょっと刺激が強すぎたかな…?
格好がエロいってわけじゃない、普通の女の子みたいな無難な服装だし、スカートではあるけどミニではないし。
露出も多めってわけじゃなく普通だ。
ただ…行動や言い方が妖艶なだけ。
なぜかニーナだけじゃなくて、ユリとアニーもなんだよなぁ…
「はい、ティッシュ」
マキナはダンボールごと持ってきて、一箱づつ学生や本隊に回していた。
「魔剣についての情報は以上だな」
『うふふ…創造主は博識なのよ…勉強になってよかったわね…』
「ニーナもそろそろ戻った方がいいんじゃないか?眠いだろ?」
肩に顎を乗せながら眠そうに目をこすっている。
人化してると魔力が地味にではあるけど減っていくからな…
分かりやすく数字にしても一時間で1ぐらいしか減らないけど。
ニーナの今の魔力は2000ぐらいか…やっぱりあんな大技使ったから消耗が激しい。
ちなみに魔術使う前は22000ぐらいだったかも。
俺?俺は…魔物時で20000ぐらいかな?
しかもあの究極大魔術の消費魔力を8割も負担する辺り、見栄っ張りはまだ直ってないみたいだ。
『流石は創造主…良く見てる…主、少し…休むわ…』
「ええ、ゆっくり寝なさい」
俺が頭を撫でてニーナが目を閉じると剣の姿に戻る。
「じゃあこれで報告会はお開きだな」
エルーが立ち上がり、閉会を告げると学生達はそれぞれの割り当てられた部屋に戻っていく。
隣接する宿屋を三件貸切にして、それぞれの宿に監督役のエルー、マキナ、リザリーで分かれて泊まるらしい。
まだ誰がどこに泊まるかは決まってないとの事。
俺はなにかあった時のために真ん中の宿に泊まる事になった。
…またリザリーと同じ宿になりそうだなー。
学生達がいなくなって俺らと本隊の人達が残った。
「俺たちはこれから別の任務があるからこれで失礼する」
「秘密事項は守って下さる?」
「…当たり前だ、まだ消されたくないからな」
リザリーの言葉に警戒するように不穏な言葉で返す。
「結構、私達の強みは秘密主義者である事ですから…」
…リザリーと本隊の間で暗黙の取引が交わされてるのか?
ま、妥当だな…情報が漏れたら対策立てられるし。
こっちの不利になるような事はして欲しくない、ってのが万人の考えだろ。
「身内同士で戦う日がこない事を祈ろう」
意味不明な事を言い残して本隊は宿から出て行った。
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