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『一日目代表!居合斬りの達人!抜刀速度は音速並か!?気づいたらバラバラぁ!瞬迅のチャーン!!』
さっき呟いていた奴が軽く手を挙げる。
チャン?…ああ、名前からするに一応東方の国の出身者か。
つーか、紹介されると手を挙げなきゃならないの?めんどっ。
『二日目代表!今日も爆発する手甲を装着だぁ!人間も魔物も、無機物も!触れただけで破壊する!発破屋グレーイーン!!』
頑丈そうな鎧を身に纏ったハゲが手を挙げる。
『三日目代表!魔物狩りを生業とし、弓と小太刀の達人!遠くも近くも死角無し!狩人のグランハーム!』
如何にも狩人です、見たいな格好した奴が手を挙げる。
『四日目代表!素性不明!経歴不明!唯一分かってるのは人工人魚の女欲しさにこの大会に参加した事だけ!!全てが謎のベールに包まれているぞ!道化師のピーエーロぉ!!』
俺は紹介されても別に手を挙げなかった。
だって恥ずくね?あのバンダナめ…余計な事教えやがったな。
あ、あの時控え室に居たのってもしかしてバンダナ?そー言えば喋り方も似てたし…ちょっとした謎が解けたわー。
『皆様、茶髪の髪の長い人が道化師ピエロでーす!』
あの実況余計なことを。
『気を取り直して…五日目代表!屈強な肉体であらゆる者を薙ぎ倒す!鍛えられし体はまさに漢!!関碇のサバーイ!』
俺に突っかかってきた奴が拳を挙げる。
せきじょう?意味不明な通り名だな、おい。
『六日目代表!優勝候補の一人!語らずとも名を聞けば皆が知る!!紅焼のフレーイル!』
ぬぬ…紅焼のフレイルだと…?知らん名だが有名らしいな。
騎士団的な鎧を着た奴が軽い敬礼みたいなポーズをした。
ふむ…なかなか強そうな感じではある。
『最後の七日目代表!この大会唯一の女性代表者だぁ!このむさ苦しい野郎共の中では華やぐ存在!そして凄いのは容姿端麗な見た目だけじゃない!華麗なる剣術の達人!女だがその実力はハンパじゃないぞ!!舐めてかかるとあっという間にあの世行き!切婦人のミイヤー!!』
この場には似つかわしくない美人の女の子が手を挙げる。
わお、なかなかに美人さんじゃないか…こりゃ傷付けないように戦うのは大変だな。
今回はストレス発散の意味も込めて最初っから結構本気で行かせてもらうとするか。
ん?今、ミイヤと呼ばれた女が俺の方を見た…?
いや、俺を見てるのはほぼ全員なんだけど…なんか違うって言うか、憎しみに近いな。
『それでは!コロシアム最終戦のぉ……始まりだぁ!!』
実況が叫ぶと同時に3人の男が俺に襲いかかってきた。
二日目、三日目、五日目代表の男達だ。
戦いのセオリー通り弱そうな奴から潰していこう、という考えか。
五日目の拳を避け、二日目の手を軽くいなし、三日目の小太刀を避ける。
流石に即席だと連携がなってねぇな。
俺は手加減せずに三日目の胴を蹴り飛ばし、体を捻って二日目の顔面も蹴っ飛ばす。
そして地面に手を着きカポエイラのように脚を回して遠心力をプラスした蹴りを五日目の脇腹に食い込まして吹っ飛ばした。
その間わずか五秒。
一息つく暇を与えないように追撃するべく、先ず最初に三日目…狩人を攻撃する。
蹴られた胴に手を当ててる狩人との距離を素早く詰め側頭部を蹴る。
「!?」
「ありゃ?」
ガードされると思って次の手に移ろうと思っていたのに、モロに食らわせれた。
ガードをしない事に一瞬面食らったがラッキー、と思いそのまま蹴りを振り抜く。
狩人がそのまま転がっていくのを見ずに標的を移す。
今度は二日目の発破屋を狙う。
一日目と六日目、七日目の代表者は距離を取って隙を伺ってる見たいだ。
こりゃ一部の隙でも見せたら速攻で突かれるな。
顔面を手で抑えてる発破屋の後ろに素早く回り込み、顎と頭を掴みそのまま力を込めてグルリと回した。
ゴギッ!と鈍い音が辺りに響き発破屋は痙攣しながら地面に倒れる。
あーあ、もっと距離を取っておけばよかったのになぁ…これだから素人は。
『お、おお…おおおおお!!凄い!凄すぎるぞぉ!!速すぎて全く実況ができない!!そして…!始まって30秒も経たない内に発破屋が脱落だぁ!!』
実況の声と共にわあぁぁ!!と客席が沸く。
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