47
『しかし、誕生したのもつかの間でその魔王はすぐに姿を消す事になる。
あまりに強すぎるその力を恐れた他の七体の魔王達が結託してその魔王を封印する事にしたのだ。
そして冥界の六つの大陸と一つの大海を七体の魔王で治め、互いに干渉しない。と言う和平交渉を結んで冥界は安定するようになった。』
…って聞いたぞ?
まさか魔王を倒すためにその封印を解くわけじゃあるめい。
そんな事をしたら七大魔王達も危ないはずだ。
いや、だがもし…封印を解いたとしたなら…いくら魔王でも…
「ぎッギっギ!ソの顔は察しがツいタヨうダな!」
「いやいやいや…まさかでしょ?確かにその封印された魔王はウチの魔王様と互角ぐらいの強さを持つけども…」
「ソう、ダかラぶつケるノだ…互角だカラこソ」
……!そういう事か!なんて…なんて汚い事を思いつきやがる…!
ずる賢いにも程があるぞ!ウチの魔王とそっちの魔王で潰し合わせるとは!
生き残っても体力少ないから七大魔王の誰かでも倒せる。って算段かよ!
「なゼ俺がハなすカ分かルか?もう遅イんだヨ!ぎっギッぎッ!」
「足止めの意味合いもあったのか…つーかお前ら捨て駒じゃん」
「ギっ!?」
「他の部隊も俺みたいに強いからなー…他の将軍達もやられてるだろ」
「ぎ…ギ…」
ヤツはガーン…ショック!みたいな感じで膝?から崩れ落ちた。
ガラガラ…と瓦礫の山の上だったため瓦礫と一緒に下まで落ちる。
はっ、いかん!こんな事をしてる場合じゃない!
魔王が危ない!一刻も早く魔王城に戻らなければ!
俺は剣で指を少し切って治る前に血を吸った。
『影移動』!
「「「うおおおおお!」」」
「うおっ!こんなに人間来てんの!?」
「負け犬…!遅いわ!ここにいても邪魔だ!他所にいけ!」
「うーい」
防衛部隊の最前線に移動したものの邪魔物扱いされたため、魔王城の中に入る事にした。
あー…どうしようかなー…なんか思ってたよりも大丈夫そうなんだけど。
とりあえず将軍の所へ行ってみよ。
「がはっ!」
「もう…だめだ!」
「くっ…!ふんばれ!もう少しだ」
なんだこれ。将軍が一体に人間が五人?
将軍を足止めしてるのか?将軍が足止めしてるのか?
あ、今将軍が俺を見て凄い嫌そうな顔をした。
しょうがない、別の将軍の所へ行こう。
他の将軍の所へ移動したがやはり俺を見て嫌な顔をする。
…ここも。
…ここも。
…ここも。
……ここもかよ。
え、なに?俺って必要とされてないの?
すげぇ寂しいんだけど。
はぁ…別の所に行くか。
「おっと」
「げふぅ!?」
なぜか俺に斬りかかってきた人のサーベルを避けて胴に蹴りを入れた。
どーしたものかなー…戻って来たはいいけど俺って必要とされてないみたいだしなー。
うーん…魔王の所にでも行ってみようかな?
でもなんか危ないって感じでも無いんだけど…
とりあえず遠目で見て大丈夫そうだったら部下共の所に戻るか。
「まモノ…ころ、ころ…殺す…!」
「悪魔の下っ端か?」
俺を襲うつもりだったらしい悪魔に殴る蹴るなどの暴行を加えて、魔王の所に移動した。
ちなみに悪魔は昇天しましたとさ。
「魔王!これで最後だー!!」
「く…ここまで…か…!!」
ええー!!ちょっ…!魔王の部屋の前まで来たらとんでもない事になってるんだけど!?
なんで!?なんで人間ごときにやられそうになってんの!?
英雄?勇者?いや、この際どっちでもいいか。
俺が見た衝撃の光景は、魔王が膝を着いていて勇者?の剣が魔王に向かって振り下ろされる所だった。
ええーい!とりあえず!!
「くらえ!」
「残念でしたー」
「なっ…!?」
「シャドウゲート!」
「な…きさ…!?」
俺は一瞬にして影移動で魔王の前に現れると魔王を突き飛ばして影移動させる。
その間わずか0.2秒。
そしてそんな体勢から勇者だか英雄だかの攻撃を避けれるはずも無く…俺はまともに食らった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます