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「ぎ…」



奴は動こうにも体がうまく動かないようだ。



「七天抜刀を食らってなんで生きてんだよ」


「ツヨくなっタのガ…オ前だケだと思ッタか」


「くそっ、悪魔のくせに一丁前な口聞きやがって」



あの頃のままなら力を解放する必要も無いと思ってたけど、そろそろ決めないと時間が無い。



ここから魔王城まで全力で走って二日ぐらいだから…マジで時間がねぇ。



「お互い本気を出さざるを得ないみたいだな」


「ぎ…気づいていたか」



俺はやっと立ち上がれるまで回復した。



そしてヤツの体が黒い煙に包まれる。



「マサカ…人間相手に本気ヲ出すとハ」


「残念ながら俺は魔物なんだよ」



俺はリミッターを外すべく体の力を抜いてリラックスする。



黒い煙が晴れた頃…ヤツの体は鎧兜に包まれ、腕の周りを黒い水が蛇のように巻きついていた。



「さて…仕切り直しと行こうか、デモゴルゴン!」



俺は落ちてる剣を拾い構えるとヤツが突っ込んで来た。



俺の剣とヤツの拳がぶつかり周りに衝撃波が飛ぶ。



「ぐ…」


「ムん!」



ヤツの拳に押され俺は吹っ飛んだ。



壁を何枚も破壊しながらもその勢いはまだ衰えない。



俺は剣を地面に刺して勢いを殺す。



ようやく止まったかと思えば目の前にまたヤツの姿が。



俺はヤツの蹴りを受け止め、胴体に剣を叩き込んだ。



真っ二つにはできなかったもののヤツはさっきの俺みたいに吹っ飛ぶ。



俺は追撃をするためにヤツを追いかけた。



「らあ!」


「グあ!」



追いつくと同時に渾身の力で剣を振り下ろすとヤツは床に大きな穴を開けて下に落ちて行く。



その穴から飛び下りると地下3階の下の地面には大きいクレーターができていた。



「くらえ……がっ!」



ヤツに向かって剣を振り下ろすが、足元の地面から間欠泉のように水が噴き出して俺を天井に叩きつける。



重力に逆らえず下に落ちるとヤツが待ち構えていて腕を振り上げた。



俺は剣でガードしたものの上に吹っ飛ばされ天井を何枚も突き破るが全然止まらない。



俺の剣とヤツの拳がぶつかり周りに衝撃波が飛ぶ。



「ぐ…」


「ムん!」



ヤツの拳に押され俺は吹っ飛んだ。



壁を何枚も破壊しながらもその勢いはまだ衰えない。



俺は剣を地面に刺して勢いを殺す。



ようやく止まったかと思えば目の前にまたヤツの姿が。



俺はヤツの蹴りを受け止め、胴体に剣を叩き込んだ。



真っ二つにはできなかったもののヤツはさっきの俺みたいに吹っ飛ぶ。



俺は追撃をするためにヤツを追いかけた。



「らあ!」


「グあ!」



追いつくと同時に渾身の力で剣を振り下ろすとヤツは床に大きな穴を開けて下に落ちて行く。



その穴から飛び下りると地下3階の下の地面には大きいクレーターができていた。



「くらえ……がっ!」



ヤツに向かって剣を振り下ろすが、足元の地面から間欠泉のように水が噴き出して俺を天井に叩きつける。



重力に逆らえず下に落ちるとヤツが待ち構えていて腕を振り上げた。



俺は剣でガードしたものの上に吹っ飛ばされ天井を何枚も突き破るが全然止まらない。



「くっ」



俺はなんとか空中で姿勢を変えてこれ以上の激突を避ける。



「ったく…もう城は見る影も無いな」



そして一旦外に出てヤツが追いかけてくるのを待ち構えた。



俺とヤツの戦いでもはや城は廃墟みたいな有様だ。



中庭も城の瓦礫でめちゃくちゃになっている。



あーあ…燃やしたかったのになあ。



「うおっ!」



庭を見ているとヤツが庭の真ん中から出てきた。



なんであんなところから出てくるんだよ、普通に追いかけてこいや。



俺はヤツに向かってダッシュする。



そこからまた戦いが再スタートした。



あー…もう説明がめんどくさくなったから割愛しよ。




そんなこんなで俺とヤツは20分ぐらい激しい戦闘を繰り広げたわけで。



追い詰められたヤツは奥の手を使った。



なんか意味不明な技名を言ったけど、実際はただの水蒸気爆発。



城を吹き飛ばすような凄い威力だったけど…俺を殺すには至らなかった、と言っておこう。



城があった所には今や城の瓦礫の山が存在している。



そして俺とヤツはその瓦礫の山の頂上で対峙している状況。



ヤツは息も絶え絶えだが俺はピンピンしている。



やはり俺が魔物化すると、かの有名な悪魔将軍でも歯が立たないらしい。



元々のスペックが高かったから当然っちゃあ当然なんだが…なんか運が良かっただけ、で済ませられそうな話である。



ちなみに今の俺の強さを数値化するなら380だ。



全世界の一般人の強さを均等化して1だとするなら…だが。



魔物化する前の俺なら38ぐらいかな?



目の前にいる悪魔将軍はだいたい120ぐらいだと思う。



奴…メルガって言ったっけ?そいつは90ぐらいだ。



通常時の俺なら歯が立たないレベルの強さ……奴は本当に人間なのか?



魔王軍で最強と呼ばれてる魔王の六体は多分六人とも5000は超えてると思うんだよなー。



見た感じだからもしかしたらもっと強いかもしれないけど。



そして魔物の王たる魔王様は10000ぐらい。



人間じゃ歯が立たない、って言うレベルの話じゃない。



次元そのものが違う、って話だからね?



一万だよ、一万。



魔物化した時の俺の約30倍の強さだぜ?



俺が全力を出して本気で戦ったとしても、魔王の服に埃を付けるので精一杯。



擦り傷すら無理。



まさに魔物の王たるその強さ。



まあ俺みたいな下っ端が魔王に喧嘩を売る日なんて一生来ないだろうけど。



つーかその前に護衛たる魔王の六体に殺されるのがオチか。



「ぎ…」



俺が考え事をしていると目の前の悪魔が薄笑いを浮かべた。



「ん?これだけの差を見せつけられてまだヤる気?」


「ぎ…ぎ…お前らは…ヒっかカッたノさ」


「引っ掛った?お前ら悪魔の罠にか?」


「そウだ…ぎ…ギ…!ぎーっギッギっぎ!」



ヤツは立ち上がると高笑いをし始めた。



「罠…ねぇ、ふむ…魔王城に人間共が攻め込んだのと何か関係があるのか?」


「ぎ…いいダロう、冥土ノ土産に話しテやルぞ」



ヤツは歪んだ笑みを浮かべ勝ち誇ったように話し始める。



「人間共ヲ扇動シ魔王城に嗾ケ、そノ間に各地二散らバっていル魔王軍の残党ヲ叩く」


「人間達を城へけしかけたのは悪魔の仕業かよ」


「ソしテ…ギぎっ、コこかラが面白イ!サくセんの要ダ」



ヤツは腕を上げて天を仰ぐような動作をする。



「あの御方を魔王ニぶつケる!」


「あのお方?はっ、無駄無駄…七大魔王ごときじゃヤれんぜ」


「七大魔王様でハ無イ…アノ御方はモッと強大デ凶大ダ」



七大魔王じゃないだと…?他にいるとしたらアイツぐらいだが、流石にそれは無いだろ、だって俺が予想してるアイツは封印されてるはず。




だって…




『冥界は特殊な世界だ。



地球規模の大陸が八つに分かれていて、人間が死んだ後に行く世界とも言われている。



その昔八つの大陸と一つの大海を支配する魔王が冥界に君臨していた。



冥界の魔王は総界戦争の終結後にいなくなり、その部下達が七つの大陸と一つの大海を支配しそれぞれの魔王として君臨し始めた。



やがて八体の魔王は冥界を我が物とせんがために戦争を起こす。



だがその戦争は長くは続かなかった…いや、地球の時間で言えば一週間程で終結した。



一体の魔王が他の七体の魔王を完膚無きまでに叩きのめしたからである。




最強で最凶、そして最悪の魔王の誕生だった。』

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