作者 和泉真弓

アオイトリがその虹の彼方に行けるなら……

  • ★★★ Excellent!!!

 時間をかけて読ませていただきました。
 周りの人達との感性のズレ、それに伴う違和感の芽生え……幼少期、誰もがアイデンティティーを確立していく際に多かれ少なかれ、大なり小なり経験してきたことでしょう。
 しかし、主人公の理子のそれは『ん?』と首を傾げることはあっても明確に違和が違和とはなり切れず、その傾いだ目線のまま紡がれていく言葉の数々が物語全体に漂う雰囲気を独特なものに仕上げています。
 文章の流麗さや模写の美しさもさることながら、僕はそんな少女を見守る周囲の人達の強さや弱さ、迷いや葛藤がより印象的でした。
 第三章の前後からまるで転調するように物語の流れが変わっていきます。 けれど引き目で眺めた全体像は微塵もブレることなく、あくまで理子と理子が繋がる世界というその構成力が秀逸の、素敵な作品です。

 虹の彼方に理子が何を見るのかとても楽しみですが、ゆっくり、じっくりと、作者様が納得のいく完結を迎えてくれればと思います。

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