11 あなたの部屋の物語-4

扉を開けたのは、杖をついたおばあさん。こつこつと杖が床を鳴らし、ゆっくりとあなたに歩み寄った。そして、しわくちゃになった両手であなたの手をきゅっと握った。節くれだって乾いていて、生きた重みを感じる手だ。

おばあさんはあなたににっこりと笑いかけ、そしてまたゆっくりと杖をついて扉の向こうへと歩いて行った。




とんとん、と扉が優しく音を立てた。

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