第46話 すしざんまい

「アライさぁ~ん?まずは誰に声をかけるの?」


「力持ちなのだ!バギーを持って山を降りるのはうどんを打つのより腰にくるのだ!」


「はいよー」


 力自慢のフレンズに協力を要請したい二人がまず目指したのはここ、じゃんぐるちほーだ。


 ここには陸も水辺も木登りも、空以外前地形に対応できそうなみんなの頼れる彼女が居るのである。


「というわけで、一緒に来てほしいのだ!」


「えぇ~…」


 ジャガーです。


「ジャガーはどこでもこう… 狩りできる体になってると聞いたことがあるのだ!つまり力持ちなのだ!」


「まぁまぁ自信はあるけどさぁ?最近川の形が変わったから橋だけじゃ渡れないとこも多いんだよ、橋があっても私の仕事はなくならないのさ」


 そう、ジャガーはみんなに頼られる、即ち多忙なのだ、仕事があるのでやすやすと持ち場を離れることができない。


「来てくれないのかぁ!?」


「アライさーん?無理言っちゃダメだよぉ?」


「ぐぬぬぅ…」


 ならばどうする?そんなとき、話をなんとなく聞きながら滑り台でハシャいでいたコツメカワウソが二人の元へ駆け寄り言った。


「聞いたよー!山登りの力持ちなら、カフェのアルパカがいるじゃん!」


「アルパカって力持ちなの~?」


「あの山を“荷物持ってても余裕”なんだってー!おもしろーい!」


「おぉ!早速行くのだ!じょーほーていきょー感謝なのだ!」


 そうアルパカだ、彼女は山岳地帯に住む獣である。

 山に強く、しょっちゅうあの断崖絶壁を荷物を抱えて登り降りしている彼女にとってサンドスター火山の登り坂など取るに足らない平坦な道に過ぎないだろう。


「アライさぁん?気楽に行こうよ~」


 勢いよく駆け出したアライグマを追い掛け、フェネックも次の目的地であるジャパリカフェを目指す。





 シロです、今日はバスで港の方へ向かっています、その理由はですね。


「釣り… ですか?」


「うん、そろそろ魚料理に挑戦しようかな?って」


「わぁ!お魚美味しいよね!食べたいなぁ~」


 魚を使うことも吹っ切れたし、そろそろ陸の恵みから海や川の恵みも取り入れていきたいと思った俺は、先日相談にも乗ってもらったかばんちゃんが顔を出してくれたときにそう声を掛けたのである、サーバルちゃんも魚と聞いて嬉しそうだ。


「わかりました、じゃあバスでご一緒します!」


「ありがとうかばんちゃん!」



 とまぁこんか経緯があり港へ向かっているわけだ、バスで行くのは博士達だと魚を運べないからというのもある、やはり乗り物はとても便利だ。


 港には流されてなければ俺の船があるはずだ、そして船には釣竿がある、釣ったら手始めに焼き魚とか天ぷらにしてみようかなと思っている、上手く釣れると良いのだけど…。


「とうちゃーく!」


 サーバルちゃんの声と共にバスは港に着いた、そこには俺の乗ってきたボートが穏やかな波に揺られ浮いている。


 無事だったようだ。


「この船やっぱりシロさんのものだったんですね?」


「うん、向こうで父さんが用意してくれたんだ…」


 父さん…。


 父は大丈夫だろうか?病気とかしてないといいけど、俺は父とはもう会うことはないのだろうか?俺がここを離れてから、向こうはどうなってるんだろう?


 父の安否は気になる… ただ、俺は向こうに帰ろうだなんて1㍉も思わない。


 父さん… 元気にしてるの?


「シロさん?」


「あ… ごめんごめん、はい釣竿?やったことある?」


「はい、海の上で過ごすこともあったので」


「なら大丈夫だね、サーバルちゃんも釣りする?」


「いいの?やるやるー!」


 考えても仕方がない、というわけで釣り開始だ。


 俺達三人は適度に距離をとり海に向かって針を飛ばした。


 簡単には釣れないんだろうけど、待つのも釣りの醍醐味だと言うじゃないか。





「かかりました!それ!」


 流石はかばんちゃん、早速一匹目を釣り上げている、しかし宙を舞う魚を狙う者がいたことを彼女は知らない。


「うみゃー!」パクッ!


「サーバルちゃん!?」


 こら、そこのお魚くわえたどら猫を捕まえるぞ、というか釣った直後に魚なんてくわえたら針が…。


「うみゃあ!?いひゃいよぎゃばんひゃん!?」


 ほぁ~… 助けてあげてねぎゃばんちゃん?


「も~針がついてるから危ないよ?」


「ごめんつい… ありがとうかばんちゃん」ゴクリ


 今ちゃっかり食べたね?まぁこれで一件落着、またのんびり竿が引かれるの待ちましょうや?


 と見せかけて今度は!


「サーバルちゃんの竿がかかっている!っと… これは大物の予感!」ググ


 サーバルちゃんが釣った魚の余韻に浸っていると、放置されていた竿に引きがあった。


 俺は自分の竿を放り引きのあるサーバルちゃんの竿を掴んだ。


 がしかし!


「ほんとー!?あ!シロちゃんのもかかってる!こっちもすごいよ!?」ググ


 二つの竿を交換し互いに竿を引く形となった。


 しかし、重い!なんだこれは!?マグロでもかかったのか!?竿が… 折れちゃうよ!


「みゃーみゃみゃみゃみゃみゃ!みやぁーっ!!」グイィ


 サーバルちゃんの気合いの引きと共になぜか少しだけこちらも軽くなった。

 

 だがこれは好機、だから俺も!


「ガァルァーッ!!」グィィ 野生解放


 その時不思議なことが起こった。


 ザッパァ!

 大きく水しぶきをあげて海中から一つの影が飛び出した、それは見るに人の形をしていた。

 勢いよく飛び出した“彼女”は港に打ち上げられ陸に上がる、どうやら俺とサーバルちゃんの竿にかかっていたのは同じもの… いやフレンズだったようだ。


「あイター!負けちゃったよぉ!」


「あ!マルカさん!」


「ヤッホーかばん!サーバルもおひさー!」


「え、えぇー!?マルカだったの!?どーりで大きいと思ったよ!」


 おったまげ…。


 彼女はマイルカのマルカちゃんというらしい、イルカのフレンズだ。

 水棲のフレンズに会うのは初めてだ、彼女には見ての通り大きなヒレがある、がフレンズなので当たり前だが足もある。


「あなたは初めてだね!白い人!」


「どーもシロです、君はマルカちゃん?…でいいのかな?」


「シロ?そのまんまだね!そうだよ!よろしくね~!」


 とてと元気、彼女もからはどこかコツメカワウソちゃんと同じ空気を感じる。


 ところでこちらのマルカちゃん、なんと釣りを手伝ってくれるそうだ。

 というか既に頼む前からホイホイ陸に投げてくる、こいつぁじぇじぇじぇとあまさんもビックリのハイスピード漁だ。


「いっぱいとれましたね?」


 そう、海の幸が大量に港に打ち上げられた。


「ねぇかばんちゃん!これなぁに?なんかウネウネしてるよ!?」


「ラッキーさん、これなんですか?」


「ソレハ タコダヨ」


 タコか、水族館以外で生きてるのを見たのは初めだ。


「じゃあこれは!?トゲトゲなのにどうやって食べるの~?」

 

 ウニか?ウニまであるのか… あとあれ… え?ま、マグロ!?沖にいるでしょ普通!どうやって捕まえたんだよ!

 

 と色々あるのを確認した俺たちはマルカちゃんに丁寧にお礼を言った後にいくつかそこで調理してみることにした、幸い船には火を使える設備もある。

 俺はかばんちゃんの腕ラッキーから指示を仰ぎその通りに調理してみることにした。


 というわけで。


「サンマの塩焼きができたよ~」


「「「わぁ~!」」」


 マルカちゃんにも食べてもらうとこれがなかなか気に入ってくれたらしく。


「おいしー!こんな面白い食べ方あるんだねー!」

 

 だそうだ、ところで普段から魚を食べてるんだね君は。

 まぁ海にラッキーはいないし、水棲フレンズはむしろジャパリマンの方に縁がないのかもしれない。


「今度はわたしも図書館に遊びに行くよー!楽しそうだもん!」


「うん、今日はありがとう、またね?」


 なんとまぁ、好奇心の塊のような子だったな?っていうかイルカが森に遊びに来るって不思議だな、フレンズならではの現象だ。



 そうして図書館に帰るとすぐに博士達が出迎えてくれた、どうやらこれはさっさと作る必要がありそうだ。


「ただいま~これから新しい料理を作るよー?」


「待っていたのです!」

「我々は空腹なのです」


 俺は帰ってきた図書館ラッキーの手伝いのもとかばんちゃんにも協力してもらうことにした。

 できるかわからないがせっかくこんなに海の幸があるんだ、伝統ある和の代表料理であるあれをつくること決意した。


「お寿司!作ってみよう!」


「はい!」

「マズハ酢飯ヲ用意シテネ」


 米はかばんちゃんに任せるとして… とうとう“こいつ”使う日が来たか。


 シャキィン…


 取り出したのは剣の如く大きな包丁。


「シ、シロちゃんそれなぁにぃ?いつもの小さいやつは…?」ガクブル


「これは鮪包丁まぐろぼうちょうと言って、大型の魚類を捌くのに使うんだよ?危ないから触っちゃダメだよ?」


「そんなの恐くて触れないよ~…」


 見付けた時、こんなん何に使えばいいんだよ… と思いつつ一応研いでおいたのだ。

 それにしてもまるで刀を持っているようだ、当たり前だが重さもある… こいつは気合い入れてかないとな。


「ラッキー?指示頼むよ」


「ワカッタヨ 扱イニハ充分注意シテネ?」


 俺がマルカちゃんがどうやって引き上げたのかわからない小型だが確かにマグロのそれをバラバラにしている間に、かばんちゃんには小魚を捌いてもらうことにした、彼女に捌いてもらうのはどれだけ大きくても鮭… いやサーモン?同じか、とりあえず色々だ。


 そしてかばんちゃんはそれらを職人のような手付きで捌きはじめた、器用な子だよ本当に。

 

「フンッ!」ズバァー


「うみゃ~!?」


 俺がマグロを切り刻むと、その度にサーバルちゃんは怯えた声をだした、嫌われたんじゃないかというくらいドン引きしている。


 ちなみに君これからこれ食べるんだよ?大丈夫?





「よし、こんな感じか… はぁ疲れた」


「お疲れさまですシロさん」


「上手イト思ウヨ」


 力が足りなくて野生解放までして切ったぞ、かばんちゃんから労いを、そしてラッキーからお褒めを頂いたので満足だ、よくやったよ俺。


「酢飯もできました、残りのお魚も捌けましたよ?」


「後はわさびをおろして… よし準備完了!サーバルちゃん、二人を呼んできてくれる?」


「はいはーい!」




 サーバルちゃんから報告を受けた長達は待ちくたびれた表情でこちらへ飛んできた、お腹が空いて不機嫌なのだろう。


 それじゃたぁんとお食べ?


「来たね二人とも?」


「シロ!スシとやらはどこにあるのですか?」

「今さらできなかったとは言わせないですよ?」


「これから作るのさ」


 俺はパンッと一つの手を叩くと両手を広げ捌かれた魚の数々を見せた。


「さぁお客さんなんにします?」


「ここはお寿司屋さんだよ!好きなネタ?で握ってくれるんだ!」


「僕達でお好きなものなんでも握りますよ?」


「ほう?」

「面白いですね?」


 回転寿司しか食べたことのない俺が回らない寿司屋をやるとは、しかしこの新鮮魚介で握る寿司なんて素晴らしいじゃないか、今から自分が食べるのも楽しみだよ。


 というかかばんちゃん捌くのうますぎだよ、どこで覚えたんだろう?先生流石です!


「いいネタ揃ってますぜお客さん」


「ではこの赤いのを」

「同じものを」


「へい!まいど!」ス…ス…ス…


 おぉ?やってみるもんだ… 意外と綺麗にできるじゃないか?

 握られたマグロの赤身は皿の上に2貫ずつ出す、なぜ2貫ずつなのかは知らない、でもいちおうそうする。


「マグロお待ち!」ドンッ!


「ほぅ、米の上に魚を生で?」「これが寿司なのですか?」


「そう、ジャパニーズスシだよ?ワサビつける?」


「わさび?何か知りませんが頼むのです」

「私も頼むのです、それでは博士?」


「「いただきますッ!」」パンッ!


 さてワサビに耐えられるかな長よ?


 テンションで職人ぶっている俺だが寿司を握るなど初めてである、お気に召すといいが… どうかな?


「火を使わない料理など」モグモグ

「我々にもできそうなものですが…」モグモグ


 そぉだぁ… よーく味わって食うんだぁ。

 取れたてマグロの赤身とワサビをなぁ?


「わたしも食べてみたーい!ねぇねぇ?この尻尾付きはなぁに?」


「甘エビだね、食べるかい?」


「食べてみたーい!」


「ワサビは?」


「なんか鼻にツーンとくる臭いだからやめとくよ!」


 ちっ…サーバルちゃんには読まれたか。←外道


 しかし寿司、なかなかいい感じじゃないか?どれ博士達ワサビの感想を聞こうか?


「「辛ぁい!?」」


「アッハハ!やっぱり?」


「なんですかこれは!ゲェホッ!」

「喉にも鼻にもゲェホッ!ツーンとくるのです!」


 ワサビを食えないなどまだまだお子様よのう?そんな二人も文句を言いつつ次はこれ、あれもくれと要求の多くなっていく、お気に召したようだ。


「はいサーバルちゃん?尻尾はとってね?」


「わぁい!ありがとうかばんちゃん!いただきまーす!」モグモグ


「シロ、我々にも甘エビとやらを出すのです」

「ワサビはいらないのです」


「へい甘エビお待ち!」ドンッ!


 とまぁご覧の通り文句言われながらも好評だったわけだ、特にサーモンが気に入ったようだね?俺も好きだよサーモン。


 サーバルちゃんはなんでもかんでも食べている。

 何を食べても彼女の口から出る言葉は「お~いし~い!」これは寿司職人冥利につきるというものだらっしゃいまいど。


「満腹です…」

「満足なのです…」


「博士達食べたねぇ?苦しいでしょ?ちょっと休んでなよ?」


「そうさせてもらうのです…」

「それでは…」 

「「ごちそうさまでしたッ!」」パンッ!


「はい、お粗末様でした」


 結局ワサビにも興味があったのか途中から入れていくようになった二人、これは余るだろというくらいあった寿司ネタも少なくなってきてしまった。


 残りは俺とかばんちゃんで食べればちょうどいいかな?


「シロさんも食べませんか?僕握りますよ?」


「いいの?かばんちゃん先に食べなよ?」


「皆さんの食べる姿をみたらお腹いっぱいになってきちゃって… あとでお願いしてもいいですか?」


「わかったよ、じゃあトロお願いします!」


 一度食べてみたかったんだよトロ… やったぜ初トロ。


 にしてもかばんちゃん… 握るときはさすがに手袋を取っているようだ、白くて綺麗な指だ。


 変な意味で言うんじゃないけど、今日の料理はまるで夫婦で営む小さいお店屋さんみたいだったなぁなんて。

 

 本当にできた子だよね、かばんちゃんみたいな奥さんがいたらどんな感じかな?


 この時おればエプロン姿の彼女を眺めながらほんの少し妄想に浸っていた

 せっせとうごいて、でもなんだか楽しそうで…。

 そんな彼女をボーっと眺めていた、端から見たら目が虚ろでやばいやつだったかもしれない。

 

 なんでもできて可愛くて、みんなに頼られて優しくてさ? 

 一緒にいると自堕落になりそう、かばんちゃんなんでも許してくれそうだもの。


 でもだからこそ逆に絶対悲しませるわけにいかない、泣かせたらみんなに恨まれるぞきっと?できた女性ほどダメ男に惚れるなんて言われたりするけど、彼女はどうかな?ちなみに俺はダメ男かな?



「はい、どーぞ!あれ?どうしたんですかボーッとして?」


「いいね…」ボー


「え…?」


「こんな奥さんいたら幸せ…」ボー


「え、えぇ!?」パリーン


 ふぁ!?なんの音!?お皿か!?


「あ…! 大丈夫!?怪我してない!?」


「へ、平気です!平気ですけど…///」


 あれ… 俺ってばなんかボーっとして変なこと言ったんでは?お皿片付けないと、かばんちゃんに怪我がなくてよかった。


 でもトロが… いやいい、トロより怪我だ、いや待てよ?まだ食えr… 無理か。

 

「ごめん… 変なこと言わなかった俺?」


「いえその… もぉ~シロさんといたらいっつもこうですよぉ!」


 言っちゃったのね…?何て言ったのかな?全然思い出せないや。


「怪我ヲシタラ大変ダヨ ボクガ片付ケルヨ」


「ありがとうラッキー」


 かばんちゃん… 帽子で顔を隠して欠けた穴から覗ている、こんなに取り乱すなんて、きっととてつもなく恥ずかしいことを言ってしまったんだ。

  

 例えばほら、裸エプロンが見たいとかさ?


 え… 言ってないよね?


「なんかごめんね?何て言ったか覚えてないけど深い意味はないんだ、ボーっとして適当なこと口走ったんだと思う」


「いえ、いいんです… 僕が勝手に恥ずかしくなっただけなんです… いいんです本当に気にしないでください」


 参ったなぁどうしよう?せっかくいい感じに仲良く話せてたのに少し気まずいな…。


「お寿司、握ろうか?」


「はい、マグロがいいです…」


「OK?はいどうぞ、ワサビはいる?」


「あ、ください」ワサビベトー


 はいはいどうぞワサビ… ってえー!?そんなに使うの?すげー塗ったぞ!?


「いただきます…」モグモグ


 大丈夫なの!?大丈夫なのいまの!?


「ふぇ~ん!辛いよぉ~!?」


 こ、壊れてしまった!俺はかばんちゃんを壊してしまった!?





「ふぁ~!いらっしゃぁ~い!ようこそ~ジャパリカフェへぇ~!」


「アライさんなのだ!」


「どもどーも~?紅茶もらおうかなぁ~」


「歌もどう?」「すぐにでも歌うんですけど!」


 今回はロープウェイを使ったので岸壁を登ったときほどは疲れていないアライグマは早速ジャパリカフェ店内へと足を運んだ、フェネックはトキの歌にはノーセンキューを伝え早速紅茶に口をつける。


「アルパカにお願いがあるのだ!」


「んなにぃ?」


 すぐにアライグマからバギー回収の件が説明された、その時アルパカは少し驚いた様子で返答を悩んだ。

 

 当然だ、彼女にはカフェがあるのだから。


「シロちゃんの為かぁ… 行ってあげたいんだけどぉ?カフェがあるからなぁ?」


「一日くらい私たちが店番やるわよ?」


「えぇ?いいのぉ?トキちゃんたち大変でしょお?」


 隣で聞いていたトキ達も、シロの為に動くのなら協力は惜しまないというスタンスでいた。

 長いことアルパカの仕事を見てきた彼女達ならカフェの店番も可能だろう。


「大丈夫よ紅茶の淹れ方もわかるわ」(鳥しか来ないし)


「楽勝なんですけど!」ドヤァ(鳥しか来ないし!)


 そう、名が知れ渡ったジャパリカフェだがわざわざロープウェイを汗だくになって漕いで登ってくるフレンズは少ない、無論断崖絶壁を登るフレンズなどもってのほかだろう。


「それじゃあ… 行ってあげようかな?」


「やったのだぁ~!」


「よかったねぇ!アライさぁん!」


 と、そのように上手く都合が付いたアルパカが仲間に加わった。

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