第302話 品定め.2

光印矢コウインノヤ

指定した矢が飛んだ先が対象の行き先となる。一方行しか進めないが、手にした物も対象に含まれる。手軽に移動できるが、短距離で、かつ、矢が刺さった所にしか移動できないので、夜や死角のある所は注意が必要。回数制限なし。発動は魔力を双方に籠めること。




どうやら二つのキーホルダーのような飾りを一つは弓に、もう一つは自身が身に付けて、打つ前に弓の飾りに流し込み、射った後に身に付けた方に魔力を入れると瞬間移動できるらしい。


「これ、便利かも。急いで逃げないといけないときとか」


「走ればよくないかい?」


「崖を超えるときとか」


「それは便利だ」





【韋駄天】

移動速度の向上と足の疲労を軽減する。歳高速度は朱麗馬並み。




「朱麗馬並みの俊足は凄いんだぞ!駿馬で引ったくりに会ったときとか余裕で取り戻せるじゃないか!」


「そんなのあるなんて初めて聞いたけど」


「俺は三回遭遇して、内二回は取り戻せなかったよ」


「マジかよ。オレも気を付けよう」


もしかしたら運良く遭遇しなかっただけかもしれないし。いや、良く考えたらオレ基本灰馬に乗ってるし、万が一引ったくりにあっても余裕で追い抜けるな。





秘密部屋パーソナルスペース

指定した入れ物の収納率を大幅に上げる事が出来る。意識したものは自動的に取りやすい位置に来る。ただし、入れ物が破損した場合、中に入れていたものが自動排出されるので注意が必要。




「四次⚫ポケットか!!」


「どうしたんだいそんなに興奮して。てかこれ説明が良く分からないんだけど」


「簡単に言えば宝を鞄の容量を気にせず入れられるようにしてくれる素敵なもの」


「ヒャッホウ!!こんなの発見するなんて俺はなんて天才なんだ!!」





【狂い時計】

対象の時間を空間ごと加速、もしくは遅くすることが出来る。止めることは出来ない。速度や長さは籠める魔力によって変えることが出来るが、調整を間違えると対象が風化して消えるので注意が必要。





「これをさ、“秘密部屋パーソナルスペース”にくっ付けて使えば、保存食の消費期限が凄く伸びるな」


アレックスの目が落ちるんじゃないかと言うほどに見開かれた。


「君、天才かい?」


「ただずっと魔力入れ続けるのが大変そうなんだよな」


「あー、そこがネックかもね。次!」





【万能鍵】

どの鍵にも適合する。

しかし、毎回しっかり油をさしてやらなければ消える。




「なんて俺にピッタリのアイテム」


「泥棒でもするのか?」


「なんてことを言うんだい!トレジャーハントするだけさ!開かずの部屋は多いからね、きっと更なるお宝が眠っているはずなんだぞ!」


「確かにこれはトレジャーハンターには最高のアイテムだろうね。しかし消えるってなんだ?」



そんな感じですべての神具を見ていったわけだが、その中で自動地図オートマップ光印矢コウインノヤと狂い時計を手に入れた。


「これで報酬の件は済んだわけだけど、ちょっと頼みたいことあるんだけど良いかな?」


「なに?」


「実はそのはぐれた仲間とパルジューナで合流する事になっていて、君が良かったらなんだが一緒に来てくれないかい?」


パルジューナか。

確か魔法具作りが盛んな地って聞いたな。もしかしてそこにいけば更なる神具や呪具が集まるかもしれないな。それに今のところ神からの指示もない。これは着いていくべきなのかもしれない。


「いいよ」


「やった!やった!実はちょっと道中心配でさ!ちゃんと報酬は払うから、これからよろしく頼むよ!」

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