第205話 エルトゥフの森での攻防.12
動物というのは、目があった相手をロックオンする習性があります。
「ぎゃあああぁあああああ!!!!!」
体のすぐ側をマグマの玉がいくつも通過していく。やだ怖いあれ当たったら火傷じゃ済まないじゃん!!一気に炭化してしまうわ!!
回復能力にも限界がある。
例えば、切られても回復できるけど、切断は出来ない。プラなんとかとか蜥蜴じゃないしね。では、消滅、もしくは炭化して崩れ落ちた場合どうだろうか?
オレの考えではこの回復能力は細胞分裂を急速で行っていると思ってる。通常細胞分裂をするとエネルギーを消費するが、そのエネルギーは魔力から補っていると考えている。
でも、でもだよ?
細胞分裂だって限界があると思うんだよ。
悪魔だって回復能力限界あったし、オレもそんな感じじゃないかと思っている。
「うわ!!うわわわわわわ!!!」
なので、急遽ロックオンされてしまったオレは囮に徹するべく逃げ回ってるのだが正直一つでも当たったらヤバイ気がするから早く二人は攻撃に移って下さい!!!
「ひぃっ!!」
真横の木にマグマの玉が直撃し、一気に燃え上がった。後ろを振り返れば燃えるナマズみたいなのが大口開けて追いかけてきている。
「うぉりあああああ!!!」
背後からキリコの声。
ナマズがキリコを振り返る。ここで標的を変えられたら攻撃が浅くなる。雷の矢をナマズに放ち、こちらを向かせるよう仕向ける。
目の近くに当たり、ナマズが再びこちらへと向く。
その瞬間キリコの攻撃が直撃した。
ナマズに突き刺さったのはアウソの槍。
今回大活躍だな。
『ギュアアアア!!!ガガガガッ』
ナマズが仰け反り炎をキリコに向かって噴き上げた。呼吸すら苦しくなるほどの熱を発する炎に飲まれるキリコだが、そんな中でもキリコは楽しそうに笑みを浮かべていた。
服は燃え、耐火・防護性の服のみとなるも、キリコは槍を離さない。それどころかグリグリと抉っているようにも見える。
「目を狙え!!」
更に後方からカリアがやって来る。
気のせいかな?カリアが担いでる武器はどう見ても木なんだけど。
雷の矢をナマズの顔めがけて射ちまくる。
激しく暴れるので、たまに来る腕の役割をしているヒレを避けながらだが、暴れる度にマグマを放出してくるので喉も目も凄く痛い。
ダメージは通っているっぽいのだが、なんとなくそれよりもオレの方がダメージを喰らっている気がして為らない。主に熱で。
「はあっ!!」
カリアが高く木を持ち上げ、狙いを定める。よく見ると木の先が鋭く尖っていた。なかなか来ないと思ったら削ってたのか。
カリアが全力で木を投げ、その尖端がナマズの胴に突き刺さった。
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