春はかすみ夏はさごろも秋はかぜ冬はしぐれに時ぞしらるる
【読み】
はるはかすみなつはさごろもあきはかぜふゆはしぐれにときぞしらるる
【語釈】
さごろも(狭衣)―― ころも。衣服。着物。[参考:精選版 日本国語大辞典]
しぐれ(時雨)――晩秋から初冬にかけて降る通り雨。
【大意】
春は霞、夏は衣、秋は風、冬は時雨に時(その季節の到来)が知られることである。
【附記】
古歌によって季節の移る瞬間を詠んだ。特に名高い立春の歌を知らず春は悩んだ。
【例歌】
久方の
冬過ぎて春来たるらし朝日さす春日の山に霞たなびく 作者不詳
いつしかと都の野辺は霞みつつ若菜つむべき春はきにけり 藤原定家
み吉野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は来にけり 藤原良経
朝霞たてるを見ればみづのえの吉野の宮に春はきにけり 源実朝
み冬つぎ春し来ぬれば青柳の
春過ぎて夏来たるらし白たへの衣ほしたり天の香具山 持統天皇
春過ぎて夏来るらし白妙のところてんぐさ取る人のみゆ 北原白秋
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行
はま風にすずしくなびく夏草の野島がさきに秋はきにけり 藤原有家
刈り残す田のもの雲もむらむらにしぐれて晴るる冬は来にけり 藤原定家
春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて
【例句】
春なれや名もなき山の薄霞 芭蕉
夏たつや
張抜きの猫も知るなり今朝の秋 芭蕉
ひらひらと木の葉うごきて秋ぞたつ
冬ちかし時雨の雲もここよりぞ 蕪村
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