看護婦の働く観れば古の采女もかくやと思ほゆるかも

 看護婦かんごふはたらればいにしへ采女うねめもかくやとおもほゆるかも


〔語釈〕

采女うねめ」は、宮中で天皇・皇后のそばに仕え日常の雑務にあたった下級女官で、古事記・日本書紀にはその名が見え、名目的には江戸時代まで続いた由。

「思ほゆるかも」は、思われるなあ。


〔大意〕

 看護婦の働いている姿を観ると、いにしえの采女うねめもこのようであったかと思われるなあ。


〔解説〕

 当エピソード執筆時に采女うねめが名目的には江戸時代まで続いたことを知ったが、私にとって采女は万葉記紀の時代のものである。万葉集には「采女うねめ」の語を含む長歌もあったのではなかったか。


 女性の看護師が手の空いたときに他の看護師となにやら話し込んでいるのを観て、いつの時代も女性は会話することを好む性質があるのだろうと思った。言葉の生まれる以前はどうしていたことだろうか。


「看護婦」が「看護師」と言い換えられるようになってしばらくたつわけだが、若い人たちは「看護婦」といってもピンと来ないのだろうか。


〔参考歌〕

 采女うねめの袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く 志貴皇子しきのみこ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます