第105話

「はぁ〜、恵ちゃん。説明を省いて魔法薬を見せて女の子になって、魔女にならないかと聞いたこちらも悪いけど。いきなり魔法薬を飲んでしまうなんて貴女、一体何を考えてるの?女の子に変わる事や魔女になる事をご両親に説明して了解を得るとか。魔法薬のリスクの説明や魔女になって一般社会とは違う生活になる事の説明とかを何も聞かずに・・・」

私が恵ちゃんに小言を言っていると恵ちゃんが掌を私の口に押し当てて小言を遮り。

「蜜ちゃんの言う事は最もです。でも私、とっても嬉しかったの。だって小さな時からずっと〜なりたかった本物の女の子になってその上、魔女になれる魔法薬が目の前にあるなんて夢かと思って。夢が覚めない内に飲んじゃおうっと思って気がついたら飲み干してて・・・その後に胸が苦しくなって『コレは、夢の中で魘されて《うなされて》て目が覚めちゃうのかなぁって、夢の中だけど蜜ちゃん達に泣き顔を見せたく無くて慌ててトイレに駆け込んで胸を触ったらパッドが押し上げられてるので外してから下も確認したら本物の女の子に変わって。私、私、今、本当に嬉しくってでももしかしたら今まだ、夢の続きを見てるのかもって疑ってて・・・コレって本当だよねぇ?」

ポロポロと泣きだした恵ちゃん。


私の口に当てていた恵ちゃんの手を紫苑さんと翡翠さんがそっと握りテーブルの上で優しく握り。

「「恵ちゃん、貴女は私達男の娘の見果てぬ夢を叶えてくれた女神、ありがとう。恵ちゃん・・・本物の女の子にそして魔女になってくれてありがとう‼︎貴女は私達男の娘の神になったのよ!」」


ん?紫苑と翡翠さん何だか変な方向に進んでるぞ?


翡翠さんスマホを取り出して恵ちゃんの写真を撮り世界中の男の娘のサイトに写真とコメントをUPしてる。

何々?「女神降臨!本日、男の娘から本物の女の子にそして魔女になった我等の女神を見よ!!」


紫苑さんは恵ちゃんの手を握り。

「やだ〜お肌プニプニ〜やっぱり本物の女の子の方が触り心地が良い〜」

とかセクハラ発言をして黒蜜おばばに頭を叩かれてるし・・・。


紫苑さんを恵ちゃんから引き離し新たに運ばれて来た烏龍茶を飲んで恵ちゃんに向け黒蜜おばばはこう言った。

「ようこそ魔女の世界へ、これから貴女は今迄とは違う生き方をするのよ」

そして懐からモゾモゾと紙の束を取り出して恵ちゃんの前に置く。

【魔女になった方が読む小冊子・魔女の会入会手続き書入り】

冊子を開くと

1、王子様をカエルに変えない。

2、継子に毒林檎を食べさせない。

何だコリャ?


「あーごめなさいねこの業界古いからさぁ

時代に合わない事が書いてあるのよねー。全く・・・細かな事や魔女の知識は魔女の継承魔法で今から伝えるからその前に最期のページの入会手続き書の最後に署名して」


黒蜜おばばにペンを向けられたけいちゃん手に持っていたパッドを無意識に胸の谷間に押し当てる。


すると手に持っていた豊胸用パッドが胸の谷間にスッと消えた?


黒蜜おばばと私、紫苑さん翡翠さんと顔を見合わせて小さな声で「「「「今、胸の谷間に消えたよね?」」」」と言い合った。


恵ちゃんが入会手続き書に【青木 恵】と署名すると魔女の会入会手続き書がスッと消える。

「入会手続き書が消えたのは魔女の会に入会手続きが完了して恵ちゃんが魔女として登録された事を示しているんだよ。後は魔女の知識を与える継承魔法をやろうかね」

そう言った黒蜜おばばは恵ちゃんの額に掌を当てると「魔女の知識をここに・・・」と呟くと部屋が一瞬青白く光り小さな稲妻が恵ちゃんの額に落ちた。

「うぇ〜、すっごい量の知識が頭の中に入って来た!ん?魔女になったら学校行かなくて良いの?魔女や使い魔や魔術師はパスポート無しでどの国もいける?やった!!」


「ねえ、恵ちゃん。さっき仕舞った胸パッド見せて」

と喜んでる恵ちゃんに黒蜜おばばが聞くと恵ちゃん。

「あっ、コレ?」っと胸の谷間からパッドを出し黒蜜おばばに渡す。


パッドを受け取った黒蜜おばば

「紫苑叔父さん。これってもしかしたら異次元収納魔法?」

恵ちゃんの胸の谷間を見つめながら紫苑さん。

「恵ちゃんたら胸の谷間に秘密の隠し部屋があるなんて憎いわねぇ」

なんて言ってる・・・。

「えっええ!さっきの得た魔女の知識に有った幻の収納魔法を私が使えてるの?それって凄く無い?容量はほぼ無限大で時間経過も無し?でも生きてる動物は無理か・・・ん?緊急時用に一人だけ生きてる人を収納可能って頭に浮かんで来たわねぇ。これは、試してみるか」

恵ちゃん隣に座っていた翡翠さんの手を掴み胸の谷間に押し当てる。


次の瞬間、翡翠さんは恵ちゃんの胸の谷間に吸い込まれた。

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