金の瞳の彼女に、恋をした

作者 武州青嵐

金の瞳の娘はそれはそれはたいそう魅力的で口に入れたくなるものでな

  • ★★★ Excellent!!!

呪いを受けて瞳が金色になった少女は、人ならざるものに生気を吸われて衰弱死してしまうさだめにある。
章吾は偶然にもそうして瞳が金色になった少女来宮ありすと出会う。そして恋に落ちる。
ふだんは平凡な男子高校生である章吾。
しかし、彼も実は鬼の末裔。人ならざるものの血を引いている。
好きなのに、守りたいのに、誰よりも何よりも彼女が愛しくて尊いのに、章吾もまた彼女に「食欲」をおぼえ彼女を喰らう白昼夢を見る……。

切なさ山盛りミックス!!

好きなのに、触れあいたいのに、ひとつになりたいのに――肌が触れただけで彼女は死んでしまうかもしれない。
しかも、彼女は家を守るために他の異形に喰われる覚悟をしている。ひどい! 章吾だってこんなに食べたいのを我慢して彼女を守っているのに! 早くこんな身の上から解放されたいと言って!!
責任感の強い来宮ちゃんは、彼女を供物として異形の者に捧げた両親を裏切ることができません。読者としては、もう何もかも捨ててぶち殺せ~!!などと物騒なことを思ってしまいますがそんな単純な話ではないのだ。
彼女だって生きたい。
けれど本当に恐ろしいのはこうして少女たちを生け贄にして長らえてきた親たち、いえ、すべての生きている人間なのかもしれない。

そんな中章吾と来宮ちゃんの想いは初々しく若々しく、つらく苦しいけど甘く優しくもあって、高校生っていいなあ……!
供物にされるという不幸な身の上の来宮ちゃんですが、意外とたくましく章吾をぐいぐいリードしていくのも素敵! 悲劇のヒロインなんて面白くないよね。やっぱり女の子は強くなくちゃ!と思ったりしました。

読んでいるうちにだんだん感覚が麻痺していて「もう章吾が来宮ちゃんを食ってカニバリズムメリーバッドエンドでもいいのでは!?」と思ったこともありましたが、大丈夫、最後はちゃんとハッピーエンドです!
これからもこの時のきれいな気持ちを忘れずにおとなになってね、と祈りながらラストまで読みきりました。

最後に。
狐、私もお前のこと好きだぞ……。

素敵な作品をありがとうございました!

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