第44話 ガエリオ・ボードウィン

 ただの坊ちゃんかと思いきや、第二部の主役と言っても言い過ぎではない。

 口の悪い、いけ好かない金持ちから、部下思いの上官となり、最後は親友を涙ながらに殺めるという見事な成長を遂げた男。

 ガンダムの世界では男が仮面を付けるとキャラが変わるという『赤い人』からの伝説を受け継いだ男でもある。


『マクギリス』『カルタ』と幼馴染であり、この2人と比べると今一つ平々凡々としていた。

 両者が突き抜けたキャラであったせいでもあるが…。


『ガエリオ』を変えたのは『アイン』という部下であり、彼がいなければ『ガエリオ』は『マクギリス』を止めることなど出来なかったはずである。

 精神的にもそうだが、『アイン』を摂り込んだ『ガンダム』を得ることで、彼の操縦の真価が発揮されるのである。


 元々、『三日月』と比べても、そう劣らない実力はあったわけで、そこに『アイン』である『阿頼耶識システムTypeE』という補助が加算された結果、同シリーズでも最強の一角と成り得た。


『ガエリオ』と『マクギリス』の最後は、このシリーズでも屈指。

「言うな! 言わないでくれ…お前が言おうとしている言葉が俺の想像通りなら…言えば、俺は許してしまうかもしれない…だから言わないでくれ。カルタのために、アインのために…俺はお前を…」

 で親友を絞め殺しました。


『ガエリオ』も『三日月』同様に『阿頼耶識』無しで歩行不可能になったが、仮面を付けて自身を殺していた重圧から解き放たれた彼は車椅子に座りながらも笑顔であった。


 まさか…この男がね…ある意味では主役じゃねぇか…。

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