第43話 マクギリス・ファリド

 男娼から立身出世を志し、幼女を妻に迎え腐敗した『ギャラルホルン』を立て直そうと…暗躍しちゃうから、あぁなるんだよ。

 結局、誰も信用してないんだよね。

『チョコレートの人』で終われば幸せだったんじゃないだろうか?

 時間さえかければ『ギャラルホルン』を変えることだってできただろうに、罪だの罰だのと考えだすとね…宇宙世紀の『赤い人』並みの才能を持っていたけど、『赤い人』ほどカリスマ性が無かった。


 経歴から言葉まで、どこまでが彼の真実だったのだろうか?


 裏で物事を画策するには、自意識過剰な面があり、どうにも詰めが甘い。

 幼き頃から欲した『バエル』を自らの身体に禁忌の『フルスペック阿頼耶識』を施術し『バエル』を起動させ『ギャラルホルン』の頂点に立ったのである。


 当然、反発で様々な裏工作が暴露され逃亡者となり『鉄華団』へ転がり込む…いい迷惑である。

 この人のダメな部分は、完全な悪人には成り切れない所で、冷淡な様で義理人情は押し通すというブレる悪人なのだ。

 彼を止めようとする『ガエリオ』に敗れるも『ラスタル』に銃口を突き詰めるまで追い込むのだが…結局『ガエリオ』に討たれてしまうのである。


 最後にガエリオに何かを言おうとしたが、「俺の想像通りの言葉を言おうとしているなら許してしまうから…」と首を絞められるのである。

 可哀想にも程があるが自業自得である。


『カルタ』『ガエリオ』に感じていた友情は本物だったのだろう…3人で歩いていければ、幸せだったはずの男である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る