第六十五話『土震 - アースクエイク』

「そう、無敵のスキルがあるんじゃなくて、使い方が重要なんだ!」

と僕は言った。


「なるほどねー!タカシはポンポンポンよく思いつくわね!」

とニコは笑った。

僕は体力の無さをそこで補っていくのだ。


「さて、残るのは・・・」

と僕が呟く。

こないだのキングゴーレム戦で手に入れたスキルはみっつ。

すでに『土剣 - マッドソード』と『土盾 - マッドシールド』は試した。


「最後に大技が残ってるわね」

「そうなんだよね、今までの傾向から考えるに、僕の身の丈に合わない大きさのスキルなんだよね。すでにとても大きい剣や盾が出てきているから、これも大きい可能性がある」


「そうよね」

とニコが頷く。


「ちょっとみんな離れていて!」

と僕はみんなに言う。

すると、みんなは僕の後ろ側に、位置するように、移動した。そう、スキルは皆見たことがあるので、どういう技かわかっていた。僕の前にいると危ない、ということも。


『土震 - アースクエイク』


と、スキルを発動させながら僕は、手を地面に当てる。

すると、地面が前方にもりあがっていく、そして、その土の流れは、丸太の目標に当たり、丸太は横に吹き飛んでいった。


「あ、また壊しちゃった・・・」

と僕が言うと、ヒカルは気にするな、という顔をしていた。

その顔を見て、僕は頷いた。


「しかし、これまた、派手な・・・」


「地面めちゃくちゃ・・・」

とリオンが言う。

そう、『土震 - アースクエイク』の軌道上にある土は盛り上がっていた。


「相手の足場を奪う上に、割と勢いもあって吹き飛ばす」

とスキルを僕は整理して言った。


「なかなかの大技ね、そして、これ掃除が大変ね・・・」

と言うニコ。

盛り上がったグランドを見ている。


「これ平らにするの大変だよね・・・」

と僕は言ってから、気がつく。


「キャンセルしたら、元に戻るのかな?」

他の2つの土のスキルはキャンセルすることが出来た。

もしかしたら、この『土震 - アースクエイク』もキャンセル出来るかもしれない。


「キャンセル!」

と僕は言うと、地面が光り出した

すると、元通り綺麗に、とまではいわないけれど、平に戻った。


「あ、平になったわね!」

とニコが言う。


「元に、戻った・・・これはすごいぞ!」

と僕がテンションを上げて言う。


「え、なに?どういうこと?」

とニコが聞く。僕のテンションで何かおもしろい発見をしたことに気がついたのだろう。


「つまり、地形が変えられるってことね!」

とヒカルが眼鏡をキラーンとさせながら言う。


「そう!」

「え、つまりどういうこと?」

もっとくわしく!とニコが言った。


「相手が攻撃してくるときは、足止めに使える。こちらが攻撃したいときは、元に戻して攻撃できる」

「お、さすがリオン」

と僕が言う。


「なるほどねー、ただ攻撃に使うわけじゃないのね」

その説明を聞いて納得するニコ。


「いろいろ、他の技と組み合わせて使えるかもしれない」

と僕は言った。

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