第五十四話『カレー』

「さ!ボスも倒したし!学校に戻りましょう!」

とヒカルが言って、僕らは学校に向かって歩き出した。


「あー、お腹すいた!ヒカル今日ごはんなーに?」

と帰る途中で、ニコがヒカルに聞いた。


「そうねー。どうしようかね〜。タカシくん何食べたい?」

「うーん、カレーとか?」

と僕は、ぱっと思い付いたメニューを口に出した。


「そうねー。じゃぁカレーにしようかね〜」

「カレー!カレー!」

とニコが機嫌よく歌ってる。


「カレーは美味しい」

とリオンも言う。

全員の賛成意見がでたので、カレーに決まったのだった。

そんな話をしながら、学校に戻ってきた。


「あぁ、おいしい」

と、ゆっくりスプーンを口へ運び、皆で作ったカレーを食べる。

ある意味遠足?というかキャンプ感がある。

学校でつくっちゃったけど。


そして、今日の遠足を振り返る。

「まあ、楽しかったよね。死ぬかと思ったけど」

と笑った。


こんな美少女達に囲まれて、遠足していれば、それは楽しいのだった。

死ぬかと思ったけど。

もう少しであぶないところだったけど・・・。


「うん、美味しいね〜!」

とヒカルはにこにこ笑っている。


「美味しい!!おかわり!!」

とニコがおかわりをしていた。


「うん、美味しい」

とリオンも呟く。リオンも笑顔だった。


カレーはみんなを笑顔にするなー、と思った。


「とりあえず、明日は、お休みにしようかね〜」

とヒカルが提案する。


そういえば、最近ずっと、特訓していたし、休みという概念がなかった。


「そっか、おやすみか。タカシは明日なにするの?」

「そうだなー。疲れが取れるまで、休んだら、街でもぶらぶらしてみるかなー。そういえば、ゆっくり見たことなかったしね」

と僕が言う。


そう、特訓につぐ特訓で、そういう時間がそういえば、なかったのだ。せっかく異世界に来たのに、スキルのことばかり考えていたのだ。


「お、デート?行っておいで〜」

とヒカルが笑っている


「ば!そんなんじゃないわよ!!一人だとわからないだろうから教えてあげるだけよ!」

「ふっふっふっ!そういうことにしておいてあげよう!」

とニコの説明に、ほほ笑みで返すヒカル。


「そうかー、明日はデートかー」

と僕は呟いた。


「タカシまで何言うのよ!」

と顔を赤くするニコ。


「今日は、疲れたし、そのくらいご褒美があっても、バチはあたらないよな」

と呟く。


「ご褒美・・・」

とニコがつぶやいている。

何を考えているのだろうか・・・。


「こらこら、タカシくん!ニコちゃんをからかわないの!」

とヒカルが言う。

それをヒカルが言うか!と僕は笑った。


「私とデートするのが、ご褒美・・・」

とニコはもう一度つぶやいていた。


「タカシ、悪いやつ・・・」

とリオンも呟く。


「はっはっは」

僕はそう返すのが精一杯だった。

僕らはご飯を食べ終え、帰る支度をしていた。


「じゃ、明日迎えに来るからね!」

とニコは笑顔で言って、自分の家に帰っていった。

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