第四十五話『土震 - アースクエイク』

「おおおお、凄い!!思っていた以上だ!」

と僕は言う。


「いやー、これは良いスキルを手にいれたね〜」

とヒカルが微笑む。


投げたナイフが、自動で敵を追尾する、超素敵スキル『追尾投擲 - ホーミングスロー』を手に入れて、僕はにこにこしていた。


「よしよし、結構スキル手に入ったね〜!今日はこのくらいで終わりにしようかね〜」

とヒカルが微笑む。


そう、これは、僕の実戦経験と、スキルを獲得するための、ハードな遠足だったのだ。

その目標はなんとか達成できたみたいだ、特訓の成果も確認でき、スキルもいいものが手に入った。


手に入れたスキルは3つ。


『速斬 - スピードスラッシュ』

『速突 - ラピッドスラスター』

『追尾投擲 - ホーミングスロー』


ちょうどいいことに、剣、ナイフ、投擲のスキルがそれぞれ手に入った。これで戦いの幅が、かなり広がった。

学校に戻って、また明日からこれらの使い方を実験していけば、なんとか戦力になれるところまで来たのではないだろうか。


「よし!帰りましょう!」

とニコが言いながら歩みを進める。


「おかしい・・・」

とリオンが言う。

なにかを見つけたらしい。


「リオンちゃんどうしたの?」

とヒカルが聞く。


いつもの笑顔が薄まっている。

完全に笑顔がなくなっているわけではないが、いつもほどの笑みがなくなってい。リオンがこういう事を言う時は何かがある時だ、とヒカルは知っているのだろう。


「足跡がある」

「足跡??」

と、リオンの言葉にヒカルが聞き返す。


「随分大きい足跡だな・・・」

リオンの視線の先を見て僕も、足跡を見つけて言う。


「まずい!!」

とリオンが言う。


その瞬間。地面が揺れた。


『土震 - アースクエイク』


スキルが発動された!


地面が、ズガガガガガと盛り上がり伝播していく。

地面が動いている?一体何なんだこれは!!

と思う間もなく僕は吹き飛ばされた。


「ぐは」

僕はその、『土震 - アースクエイク』による地面の伝播の衝撃により地面にたたきつけられた。


「なんなんだ?」

と言いながら、立ち上がろうとする。


その瞬間さらに、空気が動いた。


「危ない!!」

とニコが、僕にタックルするように跳びかかり、そのまま、一緒に地面に倒れた。何かをニコが僕を抱えて『避けた』?


「すぐ、立って!」

とニコが言う。


抱きつかれたので、ほんとはラッキースケベの下りをやるところなのだが、そんな状況ではなさそうだ。


「できれば逃げて!」

とニコが言う。逃げる・・・?ニコがそんな事を言うなんてことがあるのだろうか。


そして、やっと僕はその状況を確認できた。


「巨大なゴーレム・・・?」

そう、そこには、前回倒したゴーレムより一回りも二回りも大きいゴーレムが立っていた。


「キングゴーレム・・・」

リオンが呟いた。

さっき、ニコが避けたのは、キングゴーレムのパンチだったのだ。

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