第四十四話『追尾投擲 - ホーミングスロー』
「そうか、これを使えばよかったんだ」
と僕は微笑んだ。
僕は、ヒカルのアドバイスによって
投げナイフで、モンスターコウモリを倒した。
「ナイフ回収しよう」
と、モンスターコウモリを倒すのに使った、投げナイフを拾いに行った。腰を落として、ナイフを拾っていると、天の声が聞こえた。
<<スキルを獲得しました>>
「お!きたきた!」
と僕は喜んだ。
モンスターを倒したら、必ずスキルが手に入るわけではないみたいだけど、ここ三回は毎回手に入れられている。
初心者だから、ということもありそうだ。
最初はポンポン、呪文を覚えるけど、後半からレベルが全然上がらなかったり呪文を覚えなかったりするゲームは多いみたいだし。
<<タカシは『追尾投擲 - ホーミングスロー』を覚えた>>
「ホーミングスロー!?」
と僕は、天の声をリピートしてしまった。
ホーミングが僕の思ってるものだと、かなり助かるからだ。
「え?知ってるの?」
とニコが言う。
「いや、知らないんだけど、だいたい想像がついたんだよ!」
ホーミングミサイルというのが元いた世界にはあって、それは、自動追尾するミサイルだ。ということは、この『追尾投擲 - ホーミングスロー』も誘導弾ということが予測できる。
「これは、大当たりなんじゃないの!?」
と僕は喜ぶ。
今回のモンスターコウモリには僕の投擲がたまたま当たったからいいけど、そもそも、そんなに僕の投擲は正確ではない。そこに誘導のスキルがついたら、かなり、助かる。
「さっそく試してみよう!」
と僕はウキウキを隠せず、その場でスキルを試すことにした。
「新しいおもちゃを手に入れた子どもみたいね!」
とニコが笑う。
「ふふふ、そんなことを言ってられるのも今のうちですよ、ニコさん!」
と、丁寧にニコに言い返した。
スキルを見たら、このワクワクの意味にも気がついてもらえるだろう。
「よし、あの木を狙うよ!」
と指を刺して、宣言する。
「よしよし、やってみなさい!」
とニコは笑っている。
『追尾投擲 - ホーミングスロー』
僕は新しく手に入れた、スキルを発動させて、木に向かって投げる。
そして僕はわざと『はずれる』ように投げた。
バレーボール一個分ぐらい、外れるように!!
シュッ
と、ナイフが高速で、木に向う。
正しくは、木からバレーボール一個分離れたところに向う。
このままでは、外れてどこか遠くに飛んでいってしまう。
そして、ナイフは突然光だし、クイッと軌道を変えた。
ナイフはスピードを落とさず、軌道を変えて
僕が宣言した、木に綺麗に刺さった。
「なにそれー!!インチキじゃないそれ!!」
とニコが笑う。
これでニコにもこのスキルの凄さをご理解いただけたことであろう!
「おおおお、凄い!!思っていた以上だ!」
と僕は言う。
「いやー、これは良いスキルを手にいれたね〜」
とヒカルが微笑む。
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