第四十三話『モンスターコウモリ』
「これは楽しくなってきた!」
と僕は微笑んだ。
と、2つもスキルを手に入れた僕は、ほくほくで、歩みを進める。
「なにか、いる気がするんですけど・・・」
と、前方に浮かぶ、何かを見つけて僕は言う。
向こうもこちらを見ている・・・気がする。
僕の視線より少し上に何かがいる。
地面ばかり見ていると気が付かなっただろう。
「いる」
とリオンが頷きながら言う。
リオンもそれを視認したらしい。
「ふわふわ浮いている・・・、モンスター?」
とリオンに聞く。
「そう、こうもり」
とリオンが言う。
「僕がいた世界では、コウモリはこんな動きしないんだけどな・・・イメージよりだいぶ大きいし・・・」
ふわふわ、ふわふわと、浮いている『こうもり』がこちらを見ている。
大きいと言っても、バレーボールを横にみっつ並べたくらいのイメージだ。竜みたいに大きいわけじゃないけど、僕が知っているコウモリよりは大きい。とりあえず『モンスターコウモリ』と呼ぶことにしよう。
「タカシ、気をつけて」
とリオンが言う。
気をつける・・・?
と僕が思ったところ、モンスターコウモリがカッと目を見開いて、すごいスピードでこちらに飛んできた。
「うお!まじか!」
と、僕は短剣で、その攻撃をなんとか弾く。
「速い!速い!!」
そう、ふわふわ浮いてると思いきや、攻撃時は、しっかりと高速で滑空してきた。
モンスターコウモリは、その一撃のあと、ふわっと、元の位置に戻って、優雅にふわふわ浮いている。
「ふわふわ、ふわふわと!!」
ふわふわと浮いている、モンスターコウモリにイラッときた僕は、言いながらい、反撃を試みる。
大きく空中浮遊している、モンスターコウモリに向かって剣を振る。
ふぁぁぁぁああ。
と、モンスターコウモリは、上空に逃げる。
「ぬお!」
と、僕は、変な声を出してしまった。
モンスターコウモリに避けられてしまった。
その、空振りした僕に向かって、モンスターコウモリは飛びかかってくる。
「ぐは!」
と、攻撃を食らう。
ありがたいことに、攻撃力は、そんなに高くないらしく、
死には至らなかった。
その攻撃を受け、倒れた状態から、立ち上がった。
そして、また、モンスターコウモリは距離を取って、ふわふわ、ふわふわ浮いている。
「なかなか、つよいな!モンスターコウモリ!」
と僕は、言う。
「タカシくん!」
と、ヒカルに声をかけられて、そうか・・・。
とヒカルが全部ヒントを出す前に気がつく。
そして、その時には体は動き終わっていた。
シャッ
と音がして。モンスターコウモリは、地面に落ちた。
そう、僕は、ヒカルの言葉で、ナイフの事を思い出し。
投げナイフをホルダーから一瞬で取り出し、そのままの流れるように、モンスターコウモリに向かって、ナイフを投げた。
モンスターコウモリは、ヒカルの特訓で使った細い丸太よりずっと幅があるので、僕にはちょうどよかった。
そんなに精度の高くない僕の投げでも、見事にモンスターコウモリに当たり、僕はモンスターコウモリを倒した。
「そうか、これを使えばよかったんだ」
と僕は微笑んだ。
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