第四十一話『ゴブリン戦』

「ちょうどいいんじゃない?使ってみるといいわ!」

ニコが僕に提案した。


「うん、ありがとう!試してみる!」

そのニコの言葉に答えて、僕は、短剣を構えた。


「よし、行くぞ!」

そう言って、僕は二匹目のスライムに向かっていった。

今手に入れた『斬撃 - スラッシュアタック』の効果を試す!!


『速斬 - スピードスラッシュ』


スキルを発動させた瞬間、高速で斬撃が繰り出され。


ズバアアァァァァッッ

と、音がする。


そして、スライムを倒した。


「おおお!すごい!!」

と僕が喜ぶ。


「タカシ!すごいじゃない!」

とニコが言う。素直に褒めてくれた。


「やるわね!タカシくん!」とヒカルも微笑んだ。

「良い」とリオンはグッと親指をたてた。


「これはなかなかいいスキルを手に入れちゃったな!」

と僕は、テンションが上がる。


もともと、ニコのように剣筋がするどいわけではないので

僕にはピッタリといえる。

自分の元々の運動能力を補うようなこのスキルはとても助かる。


「次は持ちナイフで戦ってみよう」

「そうね!全部試してみるといいわね!」

とニコが僕に言う。


そうこうしていると、

「タカシくん!またモンスターが出てきたわよ!」

とヒカルが言う。


「ゴブリン」

とリオンが呟く。


そう、ゴブリン。

こないだ、ニコ、リオン、ヒカルが一体ずつ倒した、ゴブリンだ。

今度は一体だけ。


ちょうど僕一人分、ということだ。


「よし、やってみる!」

と僕が言う。


「気をつけなさいよ!?ゴブリンは弱くないわよ!」

とニコが注意してくれた。


スライムを倒して有頂天の気持ちで

向かっていっていたら、やられていたかもしれない。

気を引き締めて、ゴブリンに向かっていった。


「いくぞ!」

いつも、リオンと組手をしているときのように動く。


ただし相手は、リオンではなくゴブリン。

素手ではなく、持ちナイフだ。

このナイフで、いつもリオンに当てるつもりで打っている一撃を、ゴブリンに放つ。


ズバッッッ!


ゴブリンに、投げナイフが突き刺さる。


「グギギギイイィィィ」

とゴブリンが叫んでいる。


うまく当たったようだ。

ゴブリンは、リオンのようには、避けないし僕を投げない。

格上の人とトレーニングができるというのはこういうことなのだろう。


そして、ナイフが、ゴブリンから離れる。

ゴブリンが後ろによろめいた。


「倒したか??」

とよろめくゴブリンを見て呟く僕。


「バカ!!まだ終わってないわよ」

ニコの声が聞こえるやいなや、フラフラしていたゴブリンが、棍棒のような武器を構え振り下ろしてきた。


「タカシ!!」

リオンの声が聴こえる。


そして、その瞬間僕は思った。

新スキルは、持ちナイフには使えないのだろうか?と

そう思った刹那、スキルを発動した。


『速斬 - スピードスラッシュ』


ズバアアアァァァァ!!

その瞬間、高速の斬撃を繰り出し。

棍棒を振り下ろす前に、ゴブリンを倒した。


「た!倒した!!」

と、僕は言った。

そう、『速斬 - スピードスラッシュ』は持ちナイフでも使えたのだった。

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