第十話『戦闘スタイル』
バッと三人が動き耳を澄ます。
「森にモンスターが発生。各チームは戦闘準備をしてください」
そう、アナウンスが流れた。
「よし、行くわよ!」
ニコが言う。
「よしよし、頑張ろうかね!」
とめがねを持ち上げる。ヒカル。
「うん」
とリオンも言う。
三人が意思を確認し、すぐに走りだした。
街を抜け、森に向う。
僕もなんとなくついてきてしまった。
「タカシは街にいてよかったのに!」
とニコが言った。
さすがにそういうわけにもいかないし
街に一人でいてもやることがない。
お金も持ってないだろうし・・・。
この世界の戦い方に慣れたほうが後々、楽になるだろう、という思いもあった。ただ、せっかく覚えた『二重炎拳 - フレイムパンチ』を当てられるほどの身体能力を持ってないのが気になるけど。
と言いながら、走り続けた。
「よし、ついたわね。さて、モンスターはどこかしら!」
と、森について当たりを見回すニコ。
「あ、みつけたわよ!」
とヒカルが見つけた。メガネでしっかり見えるんだな、と思った。
「これまた、団体様ね」
と、ニコが言った。敵も近づいてきて、僕もしっかり確認できた。
「ゴブリンが3体、ゴーレムが1体」
とリオンが言って確認する。
最初のクマさんとうってかわって、こちらは、ファンタジーっぽいモンスターだ。元いた現実世界にはこんなモンスターは当然いなかった。
「ヒカルどうする?」
とニコが聞く。
リーダーはヒカルらしい。
ニコは特攻隊長なのだろうか、キャラ的に・・・。
などと思いつつ、三人の動向を見ている。
「まずは、ゴブリンをひとりずつ倒そうかね〜」
と、ヒカルが笑顔で言う。
「一応聞いておくけど、できる?」
と皆に確認した。
にっこりと笑いながら、みんなに聞いた。
「あたりまえじゃない!!」
と、ニコが言って、剣を構えた。
彼女は剣士だ。
「当然」
といいつつ、リオンがナイフを抜いた。
彼女はナイフ使いなのか!
体が小さいのに思ったより肉体派の戦闘スタイルだ。
「じゃ、行きますか〜!」
と笑顔のまま、ヒカルが言った瞬間皆が動いた。
バッとゴブリンのところに向かっていくニコ。
『斬撃 - スラッシュアタック』
ニコがスキルを発動させた。
ズバアアァァァァ、と音が空を切り裂き。
光り輝く剣がゴブリンを斬り倒した。
それと平行してリオンも動いていた。
『高速移動 - アクセル』
リオンがそのスキルを使った瞬間、残像を残し、ゴブリンの胸にナイフが刺さっていた。そう、高速移動のスキルを使ったのだ。
「彼女は、アサシンなのか!」
と僕が驚いているところにさらにヒカルが動く。
『加速投擲 - ブーストスロー』
ヒカルは、スッとナイフを投げそのスキルを発動した。
すると、放たれたナイフは、グッと速度をあげゴブリンに突き刺さった。そして倒した。
「すごい・・・」
なんと、その美少女三人チームは、一瞬で三体のゴブリンを倒してしまった。
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