月は秋兎もさなん申しけり

【読み】

 つきはあきうさぎもさなんまうしけり


【季語】

 月(秋)


【語釈】

 さなん――そのように。そう。副詞の「さ」に係り助詞「なん」が付いた連語。


【大意】

 月といえばやはり秋である。うさぎもそのように申していることである。


【附記】

 ひとを喰ったような句である。「なん」は通常連体形で結ぶので「申しける」となるところを、「けり」が切れ字であるために係り結びが打ち消されている。


【例句】

 臼の香や月の兎はきき知らむ 也有やゆう

 涼しさに麦を月夜つくよの卯兵衛哉 蕪村

 名月やうさぎのわたる諏訪の海 同

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る