絵団扇やまるくおさまる美男美女

【読み】

 ゑうちはやまるくおさまるびなんびぢよ


【季語】

 絵団扇(夏)


【大意】

 絵団扇に美男美女がまるくおさまっていることである。


【附記】

 団扇のまるい形状に「まるくおさまる」との慣用表現を言い掛けた。ところで、この句は「絵団ゑうちはのそれも清十郎にお夏かな」(蕪村)の類句と言ってよいだろうと思う。類句や類想句は近代以前から忌避されていたようである。


【例句】

 月に柄をさしたらばよき団扇かな 宗鑑そうかん

 荷口とく奈良の団扇やほととぎす 木導もくどう

 書棄し歌もこしをれうちは哉 太祇たいぎ

 おいぬれば骨も鳴なり渋団扇 五明ごめい

 光琳がちどり啼なり古団扇 士朗しろう

 蜜言みつごんかほ見えすきつきぬ団扇 東皐とうこう

 子ども等が団十郎する団扇哉 一茶

 うつくしき団扇持ちけり未亡人 同

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