めをととも見えで連れだつ夏野かな

【読み】

 めをとともみえでつれだつなつのかな


【語釈】

 めをと――夫婦。

 見えで――見えずに。見えないで。


【大意】

 夫婦とも見えないで(さる男女が)夏の野を連れだって行くことである。


【附記】

「討はたす梵倫ぼろつれ立て夏野かな」(蕪村)という句による。そのふたりの関係性は読み手の判断にゆだねられている。


【例句】

 馬ぼくぼく我を絵に見る夏野かな 芭蕉

 振袖に鐙をかくす夏野哉 才麿さいまろ

 いかづちの荒てひさしき夏野かな 史邦ふみくに

 我ひとり行くかと思ふ夏野かな 二柳じりゅう

 角あげて牛人を見る夏野かな 青蘿せいら

 空腹すきばらに雷ひびく夏野哉 一茶

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