秋蝉や高校野球果てんとす

 秋蝉あきぜみ高校野球かうかうやきうてんとす


【季語】

 秋蝉(秋)


【語釈】

 秋蝉――立秋を過ぎて鳴く蝉。特に、ツクツクボウシやヒグラシ。


【大意】

 秋の蝉が鳴く中、夏の高校野球が終わりゆくのであった。


【補説】

 蝉のようにあっけなく終わる夏もあるだろう。


【参考句】

 ぬけがらに並びて死ぬる秋の蝉 丈草じょうそう

 下枝にかまへて啼くや秋の蝉 路通ろつう

 神寂かみさびや秋蝉我にいしばりす 麦水ばくすい

 あふのけに落ちて鳴きけり秋のせみ 一茶


 ほしあひひぐらしになる蝉の声 其角きかく

 日ぐらしや盆も過ぎ行く墓の松 蝶夢ちょうむ

 日ぐらしや山田を落る水の音 諷竹ふうちく

 蜩のおどろき啼くや朝ぼらけ 蕪村

 蜩の啼けばひさごの花落ちぬ 暁台きょうたい

 日ぐらしやみの山見ゆる山のあい 蒼虬そうきゅう

 日ぐらしや急に明るきうみかた 一茶

 蜩や机を圧す椎の影 正岡子規

 夕榮ゆふばえや蜩多き岡の松 同

 蜩に一すぢ長き夕日かな 同

 蜩の茶屋靜かなる木の間かな 同

 蜩や夕日の窓にかしの影 同

 蜩やたたみのぼる夕日影 同

 茅蜩ひぐらし孟宗籔まうそうやぶの片日照り 北原白秋


 鳴き立ててつくつく法師死ぬる日ぞ 夏目漱石

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